◆第26回チャンピオンズC・G1(12月7日、中京競馬場・ダート1800メートル)追い切り＝12月3日、美浦トレセン

　無理せず叩き出した好時計が状態の良さを表していた。シックスペンス(牡4歳、美浦・国枝栄厩舎、父キズナ)は美浦・坂路でルージュスエルテ(4歳2勝クラス)を2馬身半追走してスタート。序盤はリズムよく僚馬を目標に運び、ラスト1ハロン地点では早々と半馬身ほど前に出た。スピード感十分の4ハロン52秒1は堂々の1番時計タイだった。

　力強い走りを見届けた国枝調教師は、納得の表情で中間の調整過程を説明した。「先週、ウッドコースでかなりしっかりやってだいぶできていたので、今朝は坂路で併せてしまいをしっかりという形。動きはすごく良かった」。秋初戦だった前走を使ったことで型通り上昇カーブを描いており、「体のほうは締まって身が詰まっている感じで、気持ちも良い感じでこれている」と心身での充実を感じていた。

　今年初戦の中山記念でG2・3勝目を挙げて上々のスタートを切ったかに見えたが、その後のG1・2戦は〈7〉〈12〉着と案外な結果に。「今年に入ってもう一つ実力が発揮できていないような雰囲気だったので、ダート適性もあるかなというところで、南部杯ということになりました」。名伯楽の思惑通り、初ダートで2着といきなり結果を出し、「勝った馬に目標にはされたんですけど、競馬としてはすごく良かったんじゃないかなと思います」と手応えをつかめた価値ある一戦だった。

　前回より相手は強くなるが、まだ底を見せていない魅力たっぷり。「砂をかぶっても大丈夫な雰囲気はあるし、ここで頑張ってもらって良い結果を取りたいと思います」。厩舎のダートG1初制覇へ、現時点で不安は一切ない。(西山　智昭)