「第26回チャンピオンズC」の出走馬と枠順が4日、確定した。ダート決戦のキーマンは大外の16番枠に入った
ルクソールカフェに騎乗するフローレン・ジェルー(39=フランス)だ。米国に拠点を置いて活躍する鞍上は、短期免許(期間は6〜31日)を取得して初来日。この日、栗東トレセンを訪問して調教にも騎乗、来日に至った経緯と意気込みを語った。今年のドバイワールドCは伏兵
ヒットショーで差し切り、
フォーエバーヤング(3着)を負かした。この男、ダート競馬の鬼かもしれない。
「Win The Race!とにかく勝ちたい」。数々のG1を制してきた39歳はシンプルに抱負を語った。17年BCクラシックなどG1を6勝した
ガンランナーとのコンビで知られる、ダート競馬の本場・米国のトップジョッキー。「欧州で活躍する騎手と違って、私はダートでの経験が豊富。そこを見てもらいたい」と
プライドをにじませる。
念願かなっての来日だ。
ワールドオールスタージョッキーズの招待は受けていたが、本国のビッグレースと時期がかぶるため断念。「ずっと日本に来たかったけど、なかなかチャンスがなかった」。今年はドバイワールドCで伏兵
ヒットショーに騎乗して
フォーエバーヤングを破るなど活躍。「大きいレースを勝てて、短期免許の要件(指定外国競走またはJRA・GIを当該年と過去2年に2勝)を満たしていると聞いた。アメリカでの騎乗馬も失いたくないので、このタイミングの来日になった」と説明した。
フランスのノルマンディーに生まれ、騎手だった父
ドミニクの背中を追いかけ、ジョッキーを目指した。20歳の若さで米国に拠点を移すと着実に実績を伸ばし、16年には年間G1・10勝を達成。大舞台に強く、異国の地で結果を出すすべも知っている。この日、今冬で最も冷え込んだ栗東トレセンで精力的に調教に騎乗。「日本馬は凄く強いし、厩舎も奇麗で、安全な素晴らしい施設がそろっている。競馬場はまだ経験していないので少しずつ慣れていければ」と印象を語った。
先週の
ジャパンCは
カランダガンのバルザローナ、
マスカレードボールのルメールがワンツー。フランス出身の名手がターフを沸かせた。週末のチャンピオンズCで、ジェルーには前哨戦の武蔵野Sを圧勝した米国産馬
ルクソールカフェの手綱が回ってきた。日本でのG1デビュー戦は、くしくも本人が絶対の自信を見せるダート戦。「いい馬に乗せてもらえるので楽しみ」と力強いサムアップで高揚感を表現した。
◇フローレン・ジェルー 1986年7月16日生まれ、フランス出身の39歳。父は騎手、調教師だった
ドミニク氏。03年フランスで騎手免許取得、04年5月にロンシャン競馬場で初勝利。05年には43勝を挙げて見習い騎手チャンピオンの座に就いた。07年には米国で騎手免許を取得し拠点を移す。14年BCス
プリントをワークオールウィークでG1初制覇。17年にBCクラシックを勝ち、同年の米年度代表馬に輝いた
ガンランナーの主戦を務めた。今年は72勝で北米リーディング19位(4日現在)。今回がJRA短期免許で初来日となり、期間は31日まで(身元引受調教師は福永師、契約馬主は窪田芳郎氏)。1メートル64、52キロ。