静かに闘志を燃やす男がいる。わずか3戦のキャリアでGIへと駒を進めた、
ロッカヴェラーノを担当する寺倉純慈助手(30)だ。格上挑戦ですみれSを快勝し、出走にこぎつけた。「僕自身、GIどころか、重賞も初めて。人の方が緊張していますよ。馬は底を見せていないし、今年は混戦模様。楽しみを持って臨みます」と瞳を輝かせた。
7年間、園田競馬のジョッキーとして活躍し、重賞でも勝利を挙げた。25歳で騎手を引退。中央競馬を夢見て、宇治田原優駿ステーブルでの3年間の研修生活ののち「(年齢的に)最後の厩務員試験でやっと受かった」と狭き門を突破した。
あれから3年、
ロッカヴェラーノは新馬戦Vで手応えをつかんだ。「4角で落鉄しながらも押し切った。力があるなと思った。GIでもスムーズに流れに乗れれば」と話す。もう一頭の担当馬
コスモヘイガーは来週の青葉賞(30日・東京)にスタンバイ。「何とかダービー(5月29日・東京)へ連れていきたい」と夢の2頭出しを描いた。決戦の翌日には、ひとつ年上の直子さんとの挙式を控えている。皐月賞Vとなれば、これほどめでたいことはない。
提供:デイリースポーツ