ジェントゥーは、まずは京都のダートをダクとキャンターで2周。物見をするなど集中力を欠く印象で、その後のゲート試験でも中に入ろうとせず約15分後にいったんは断念した。
しかし、気配が一変したのは、芝での追い切りに移行後。向正面で
スピードを上げ、さらに勢いを増し直線に向くと、一転して集中した走りで駆け抜けた。6F83.1-38.2-12.5秒。得意の重馬場だったせいか、終始馬なりながらもフットワークは上々だった。
「普段と違い1頭でいるからだろう。最初は表情が暗くて、不安がっている雰囲気だった。でも調教をしてすっきりしたようだ」。前夜に来日したリヨン師の言葉通り、追い切り後の試験ではすんなりとゲートに入り、駐立も問題なし。本番は先入れとなる見込みだが、無事に合格した。
「正直、不安だったけど、馬主がこういうときだからこそ行こうと。フランスの日本大使館にも確認してから来た」。震災による原発の問題を抱える現状で、完全招待ではない来日だけに陣営の
モチベーションは決して低くはない。だが、その実力を発揮できるか否かは、このひと追いで気配がどこまで上向くかにかかっている。
提供:デイリースポーツ