デビュー29年目の田面木が、無傷の2連勝
エポワスとともに重賞舞台へ挑む。オールドファンには、90年前半に重賞戦線を沸かせたホワイトストーンとのコンビが懐かしいベテランだが、近年は騎乗数が激減。昨年も20鞍に騎乗して1勝のみと、安定して2桁勝利を挙げていた当時の輝きはない。
そんな田面木は現在、
ペルーサなど、名門・藤沢和厩舎の主力馬の調教を担当。今回、コンビを組む
エポワスも、デビュー前からずっと調教にまたがってきた。4月の阪神・未勝利戦でデビューすると、完全に逃げ切り態勢に持ち込んだ2着馬をゴール前できっちり捕らえた。前走の東京戦ではマッチレースを制して2連勝を決めた。「前走なんかは、抜かれる感じはなかったよ」と振り返った田面木。「素直でレース運びがうまそうに見えるけど、結構危うい面もある気性なんだ。でも、そのあたりは調教に乗って分かっているから」と、パートナーの癖を完全につかんでいる。1週前追い切りでは、田面木を背に美浦坂路で4F55.0-13.5秒(モヤのため脚勢不明)。程良い気合乗りで軽やかな動きを披露した。
藤沢和師も「派手さはないけど、強い内容で勝っているからな。ひょっとしたら、なかなかの素材かもしれない」と期待の口ぶり。両者とも、2Fの距離延長にも「落ち着いて走れているし、3歳馬同士なら」と気にしていない。
ダイワカーリアンで制した00年の富士S以来、11年ぶりの重賞Vがかかる。“いぶし銀”は「久々のチャンスだから」と静かに闘志を燃やしている。
提供:デイリースポーツ