抜群の集中力を保持したまま、
マイネルラクリマが美浦Wの外ラチ沿いを滑らかに駆け抜けた。Wで一杯に追われた6月26日に6F84秒2-38秒9-12秒7をマークし、実質的な最終追い切りを完了。この日は馬なりで5F70秒4-40秒3-12秒5と
ソフトタッチの内容にとどめたものの、直線で鞍上がハミを1度かけ直すと、一切のブレも見せずに脚を伸ばした。
「サラッと(5-3Fを)70-40秒のタイムは予定通り。直線も気持ち良さそうに走っていた。いい感じできているね」と上原師は満足顔。「去年も(新潟2歳S2着など)夏場に走っている。この暑さも大丈夫」と体調面に太鼓判を押した。
ダービーは無念の除外となった。それでも、祭典前日の白百合Sをしぶとく制し待望の2勝目を飾った。「前走も(京都へ)乗りに行きたかったんだ」とは主戦の松岡。当日は目黒記念の
マイネルキッツとかち合ったため、幸に手綱を譲る経緯があった。「普通の馬とは違う、いい雰囲気の持ち主。同じチーフベアハート産駒だからか、キッツに似たところがある」と一昨年の天皇賞馬にイメージを重ね合わせる。
4カ月半ぶりの前々走・NHKマイルCでは後方から小差の6着まで押し上げたように、流れに応じて自在に運べる器用さ、安定感がある。「コースもばっちり合う。ハンデの56キロも僕個人としては恵まれたと思う」と強気な姿勢を崩さない。
ここで初の重賞タイトルを獲得して、秋競馬へ弾みをつけたい。「菊花賞(への参戦)うんぬんは馬主サイドと相談してからだが、夏前の目標がこの一戦。いい結果を残したいね」と上原師。松岡も「真ん中より内枠を引ければ、かなりの自信を持って臨める」と言い切った。
提供:デイリースポーツ