函館スプリントSを制したカレンチャン(手前)=函館競馬場
サマースプリントシリーズ第1弾「第18回函館スプリントS・GIII」(芝1200m)は3日、函館11Rに12頭で争われ、中団を追走した1番人気のカレンチャンが、逃げ粘る3番人気のテイエムオオタカ(2着)をゴール前でねじ伏せるように差し切り、重賞連勝を飾った。勝ちタイムは1分8秒0。3着は2番人気のアンシェルブルーが入り、上位人気での決着となった。
池添は「イメージよりも1列後ろだった。4角ではスムーズにさばけなくて、馬を助けることができなかった。外に出してからは強かった」と人気に応えた愛馬に頭を下げた。口取りでは、自身が主戦を務めたスプリングソング(10年京阪杯V)の写真を掲げた。5月8日に急死したカレンチャンの半兄にささげる勝利。誰よりも強い思いで臨んだ一戦を制し、笑顔がはじけた。
志半ばで逝った兄の思いを受け継ぐ妹。その視界は極めて良好だ。中間の調整は決して順調ではなかった。「当初は間に合わないかと思ったくらい。状態はやっと八分。きょうも返し馬で硬さが残っていましたから」と安田翔助手は語る。一方で「キ甲が抜けて、体は成長している」と伸びしろも残しており、今後への期待は膨らんでいく。
次走のキーンランドC(8月28日・札幌)でサマースプリントシリーズVの足固めを行い、秋はスプリンターズS(10月2日・中山)で、僚馬ダッシャーゴーゴーとの対決へ。スプリント界に現れたヒロインが、ノンストップで頂点まで駆け上がる。
提供:デイリースポーツ