久々の3歳馬Vへ、美浦Wを併せ馬で追い切られたマイネルラクリマ
しぶとく、そして力感に富んだ動きで、マイネルラクリマが好仕上がりを印象づけた。朝一番の美浦Wに登場。6Fで1秒3先行するダイワファルコン(4歳1600万下)の内へ4角で潜り込み、残り1F過ぎでグイッと半馬身ほど前に出ると、その体勢をキープ。攻め駆けする僚馬に先着した。
台風15号の接近により不安定な天候のなか、6F83秒0-38秒2-12秒6を記録。上原師は「予定通り」のひと言を何度か繰り返し、大きくうなずく。「引き揚げて来た際の息遣いも悪くない。いい感じで臨める」と、2カ月半ぶりの実戦でも臨戦態勢に狂いはない。
8月28日の札幌で落馬した際、左腓骨を骨折。その影響による筋肉の痛みを訴え、17日の中山6R以降の騎乗をキャンセルした主戦の松岡は、今週から改めて戦列に復帰。「けさ調教に参加して、もう心配な部分はありません」と笑顔を見せた鞍上は、ラクリマを、同じチーフベアハート産駒で、09年春の天皇賞を制したマイネルキッツにイメージを重ね合わせる。
「ラクリマもキッツも持久力を生かすタイプ。フットワークも似ているし、いい雰囲気のある馬です」。放牧先からの帰厩が遅れ、古馬相手の始動戦となるが「斤量差が(最大で5キロ)あるし、一発があってもいいと思う」と、気後れはない。
目指すのは、97年メジロドーベル以来となるオールカマーの3歳馬V。乗り越えるべきハードルは高いが、まだ底を見せていない魅力がある。「相手は強いけど、自分のなかでは(いい)イメージがある。距離延長も問題はない」。ここで好勝負を演じれば、次戦の菊花賞でも大きな注目を集めることになる。
提供:デイリースポーツ