京王杯2歳S優勝馬の
レオアクティブが、南ポリトラックで追い切った。馬なりだったが、直線では弾けるようなフットワークで伸び、好調振りをアピールしていた。
「1週前の追い切りは時計も出ていましたし、先週使えるくらいの仕上がりだったので、今週は流す程度でした。僕は別の馬に乗って、レオの数馬身後ろから走っていたのですが、後ろから見ていても、動きは良かったですよ。あとは1ハロン延長がどう出るかですね。中山の芙蓉S(7着)で1600mを使った時が、いい感触を得られなかったですからね。ただ、あの時とは馬も変わってきていますから。以前のように、直線でフラフラする所もなくなってきましたし、パドックでも落ち着きが出てきて、精神的にも成長してきましたので、折り合いがつけばマイルもこなせると思います。ここ2戦、33秒台の脚を使っていますが、うまく脚をためられれば、最後は切れる脚を使えますから、それをうまく引き出せる競馬をしてくれればと思っています」と、管理する杉浦調教師は、しまいの脚を生かせるレースを期待しているようだった。
午後、厩舎を訪ねると、表情があどけない栗毛の
レオアクティブが、ちょこんと馬房から顔を出していた。
「性格?ものすごく人なつっこくて、ポニーちゃんみたいな可愛い馬だよ」と担当の長島さん。長島さんはNHKマイルC優勝のテレグノシスも担当していた腕利きだが「テレグノは本当にきかない馬でね。体を洗ってやったり、手入れをしていても、蹴りが飛んできたからね。それに比べると、この馬は素直だし、洗い馬でも馬房の中でも大人しい。厩務員としては、ホント、扱いやすい馬だよ。テレグノとは、全く違うタイプだね」と、馬房の掃除しながら、話をしてくれた。
「今日もいい動きだったよね。気のいい馬だから、あれくらいは動くよ。あとは、あまり
テンションを上げないようにしてやらないとね。距離?これまでの経験上、同じ1ハロン延長でも、1600mから1800mはきついけど、1400mから1600mは案外こなせるというイメージがあるし、引っ掛からなければ大丈夫だと思っているよ」。
育成時代、育成牧場の火事に遭遇しながらも、難を逃れたという
レオアクティブ。「幸いそのトラウマはないみたいだし、ともかく強運の持ち主だよね」と長島さん。本番ではその運と持って生まれた素質を存分に発揮して、好結果を残してくれそうな予感がする。
この週末は、長島さんの担当馬がもう1頭、出走する。朝日杯FSと同じ日曜日、中山9R千葉テレビ杯の
イチブンだ。
「この馬はデビュー前から期待していた馬でね。よその厩舎の調教師からも、いい馬だなと言われるくらい、馬っぷりがいいよ。なかなかこれだけの馬はいないと思うよ。靭帯を痛めて、今回は10か月の休養明け2戦目。ウチの先生(杉浦)は走れる状態にあると言っていたよ」(長島厩務員)。
持っている能力は間違いなく上位。一度叩かれた変わり身に注目したい。[取材:佐々木祥恵]