ダイワファルコン(左)とのたたき合いを制し中山金杯を勝ったフェデラリスト
「第61回中山金杯・GIII」(芝2000m)は5日、中山11Rに16頭で争われ、中団を追走した2番人気の
フェデラリストが、同じようなポジションから運んだ
ダイワファルコン(4番人気)との一騎打ちを首差で制してV。3連勝で重賞タイトルを手にした。勝ちタイムは1分59秒4。さらに2馬身半差の3着は昨年の覇者
コスモファントム(5番人気)。1番人気の
アドマイヤコスモスはレース中に骨折し、最下位に敗れた。
重賞初挑戦とは思えない貫禄Vに、蛯名の頬が緩む。「クラスが上がって初めてだったけど、よく頑張ってくれた。本当に強かった」。重賞94勝目にして初の金杯勝ち。「毎年、勝ちたいと思っていた。気持ち的にうれしいよ」。最高のスタートに笑みが絶えなかった。
母はGI2勝の名牝
ダンスパートナー。これまで7頭の子を送り出し、待望の産駒初の重賞勝ちとなった。バリバリの良血馬でも、ここまでの道のりは決して平たんではない。デビュー戦で右ヒザを骨折し、地方の船橋、園田を転戦。田中剛厩舎に転厩し、ようやく素質が開花した。
前走で準オープンを卒業したときは「ウチにも(平地の)オープン馬ができた」と涙を流したトレーナーだが、この日のレース後は終始にこやかな表情。「前回までは落ち着きがなかったのに、きょうは安心して見ていられた」と精神面の成長に目を細めた。
次走は未定も「ひと休みさせて、リフレッシュさせたい。まだまだ力をつけている。距離も幅広くこなせますから」と春をにらむ。開業2年目で年末年始の重賞をジャック。“障害の鉄人”と呼ばれた田中剛師が、平地のGIでもてっぺんを取るつもりだ。
提供:デイリースポーツ