状態の良さをアピールしたスマートファルコン(撮影:井内利彰)
今週の栗東は週明けから好天が続き、馬場が回復。12日深夜に雪が降ってうっすらと降雪はしたものの、その後は日が照って湿っていた馬場がみるみる乾いていった。
ここ1か月ほど続いた時計の出ないウッドチップはほぼ正常に回復したと見てよい時計の出方になっているだけに、今週の追い切りであまり時計の出ていない馬、追い切りで遅れている馬に関しては評価を下げてよいかも知れない。
【坂路/4F51.9秒】
14日。この日の一番時計はオルフェーヴル(栗東・池江泰寿厩舎)の4F50.7秒。これは自身にとっても自己ベストとなる数字。ただこの例だけをとって時計の出やすい馬場だと考えるのは早計で、オルフェーヴル自身が更に成長していると見た方がよいだろう。全体的に見ると4F51.9秒以下が4頭しかいなかったので、時計が掛かる馬場であることは間違いない。ただ3秒も4秒も掛かっていた近1ヶ月よりは時計の出る馬場となっている。
15日は調教前に少し雨が降ったものの、馬場に影響するほどではなかった。この日、抜群の動きを見せたのがロードカナロア(栗東・安田隆行厩舎)。同厩オーセロワを2馬身ほど後方から追走したが、すっと並びかけるとあっという間に先着して4F51.7秒。ラスト1Fは11.9秒と文句のつけようがない動きを見せている。
馬場差は先週の+3.5秒から大幅に良化した『+0.7秒』と観測。なお14日、15日とも同じ馬場差としている。
【CW/5F66.0秒】
坂路同様、ウッドチップが乾いたことによって通常時の馬場状態に戻りつつある。14日は朝一番にエイシンフラッシュが追い切られて6F83.2〜1F12.3秒。6F時計は少し遅いように思われるかも知れないが、テンをゆったり入ったためなので、馬場的には全く重さを感じるところはなかった。
15日に追い切られたのが、ドバイワールドカップの招待を受諾しているスマートファルコン(栗東・小崎憲厩舎)。武豊騎手が跨ってCコースに手前から入り、向正面手前まで同厩セントエドワードとダグ。そしてスマートファルコンは6F標識の手前からキャンターに入って、じわじわペースアップ。少し行きたがるような仕草も見せたが、6F80.2〜5F64.7〜4F51.1〜3F37.7〜1F12.5秒と非常にバランスのよい時計をマーク。状態の良さをアピールする追い切りとなった。
馬場差は先週の+2.5秒から回復した『+1.2秒』で観測。なお坂路同様、14日、15日とも同じ馬場差としている。
【DP/5F64.5秒】
ウッドチップ馬場が悪化した先週あたりは追い切りの混雑が目立っていたが、今週は馬場回復でポリトラック馬場は平常に戻りつつある感じ。それでも少し多めの追い切り頭数で、その時計も速いものが多い。
5Fで60秒を切ったのはサクラエクスプロー(栗東・羽月友彦厩舎)。ラスト1Fは12.6秒要したが、最後まで余力十分に動いており、見た目にもスピード感十分な迫力ある内容だった。
ただ好天に恵まれたこともあり、今週のDPは動きが良く見える馬が多かったのは事実。よって馬場差は14日、15日とも先週よりも大幅に時計の速い『-1.2秒』で観測している。(取材:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。