ヴィクトリアマイル・アパパネ国枝師インタビュー/美浦トレセンニュース

2012年05月07日 12:00

ヴィクトリアマイルに出走するアパパネと国枝栄調教師(撮影:佐々木祥恵)

 ヴィクトリアマイルに出走を予定しているアパパネ(牝5)について、国枝栄調教師に話を聞いた。

「昨年は、ヴィクトリアマイルへのステップレースとして、マイラーズCを使いました。初めての古馬相手だったので、どうかなと思っていたけど、しまいは頑張ってくれたし、一応4着ということで、ステップとしては良かったと思います。

 それで本番のヴィクトリアマイルに臨んだわけだけど、ブエナビスタがグリグリの本命で、注目は向こうに集まっていたけれど、アパパネも体調が良かったのもあるし、正義(蛯名騎手)がうまく乗ってくれたからね。ああいう勝ちに行く競馬でブエナを抑え込んだというのは、良かったよね。正義の騎乗振りも気迫を感じたし、力勝負という形のレースをしてくれて、いいものを見たなと感じました。

 あの時のように、能力のある人気馬が、不利なくレースを運べて、お互いの力を出し切った上で、優劣を決めるという競馬が1番おもしろいんじゃないかと思いますよ。

 今年は、昨年同様、マイラーズCからと考えていたんだけど、少し期間が詰まっちゃうので、牝馬限定のGII(阪神牝馬S・7着)から始動しました。初めての1400mでしたが、正義が残念ながらケガをしてしまったので、岩田騎手に乗ってもらったんだけど、休み明けとはいえ、去年のマイラーズに比べると、何かもう一つ、足りないという感じがしましたね。

 馬体重が504キロと増えていましたが、調教もしっかりやっていたし、見た目にはそんなに太くは見えなかったしね。競馬はこちらが思った通りにはいかないものだけど、それでも、あのレース振りには、クエスチョンマークがつくのは確かだよね。

 そのあたりが気持ちの問題なのか? と考えることもあるけど…。年齢を重ねているので、以前よりも落ち着きは出てきてはいるのは確かだけど、それが結果を左右しているのかどうかは、微妙だよね。良い走りをしていた頃との違いというのが、ハッキリとわからないというのが正直なところかな。

 普段の様子や調教の走りからは、以前との大きな違いは感じないけど、レースに行っての違いはあるのかもしれないね。去年の安田記念(6着)でも、香港マイル(13着)でも、正義は当然、「よし!」と、レースの途中までは思っていたのに、そこから馬が反応しないわけだから。鼻出血とかか、脚元痛めたとかと、ハッキリ表に出てくるものでもないから、わかりづらいよね。

 1週前追い切りは、北Cコースで併せ馬でやりました。動きは良かったし、状態も悪くはないよ。正義もまあまあという感触だったんじゃないかな。これまではずっとウッドチップでやってきたんだけど、ウッドは脚を擦ってくることがあるので、ダートコースでやることにしました。

 北馬場は、東京開催の時には、ダートが左回りなるし、南馬場よりも馬も少なくて、落ち着いて調教もできるからね。普段と場所が変わったことで、馬自身の雰囲気も変わって、良かったと思いますよ。最終追い切りも、北馬場の可能性はありますけど、天候や馬の様子を見て、どこでやるかは前日に決める予定です。

 この馬の長所は、モチベーションの高さだと思いますよ。去年のヴィクトリアマイルをはじめ、オークスや秋華賞のレースのように、決して派手な勝ち方はしないけれど、しぶとくて、根性のある走りをするからね。最近ではそれが影を潜めていてしまっているけど、何とか、去年のように、ヴィクトリアマイルで好レースをして、この先につなられればいいなと思っています。

 ブエナビスタがいないのに、本当なら負けちゃいけないでしょうし、ここまでは順調に来ていて、状態も良いですから、牝馬のGIを、今年も何とか獲りたいですね」

 ここのところ、ピリッとしないレースが続くアパパネ。女王復活となるか、最終追い切りにも注目したい。(取材:佐々木祥恵)

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