シリーズ初代王者へ向けて軽快な動きを見せたエーシンリターンズ(左)
全力疾走はレースまで取っておく。エーシンリターンズは栗東CWでマルコフジ(4歳1000万下)と併せ馬。手綱を押さえたままで直線へ向き、軽くうながれると、スッと反応を示して首差先着を決めた。全体時計は6F82秒6-39秒0-11秒8。軽快なフットワークで駆け抜けた。
中山への輸送を考慮して、セーブ気味の追い切り内容に。余力を十分に残し、今にもはじけそうな雰囲気を醸し出していた。坂口師は「目いっぱいにやらなくていいという指示。見た限りは悪くなかった」と予定通りの内容に納得する。
前走の関屋記念ではレコード決着の2着。GI2着の実績のあるドナウブルーに首差まで迫った。24キロ増だった中京記念14着から、8キロ体を絞っての見事な変わり身。「(中京記念は)一気に体重が増えていたからねえ。馬場が良ければいい競馬をする」と振り返る。
中山の開幕馬場は持ち味を生かすには絶好の舞台だ。「前走の反動はないし、夏負けもないからね。(直線の)坂も問題ない。55キロのハンデも、そんなにこたえないのではないかな」と不安は見当たらない。
今年新設されたサマーマイルシリーズ最終戦。Vなら重賞初制覇と初代王者のタイトルが転がり込んでくる。「そんなに高望みはしないよ」と指揮官は控えめに話すが、絶好のチャンスを逃すわけにはいかない。
提供:デイリースポーツ