サマースプリントシリーズ最終戦「第26回セントウルS・GII」(芝1200m)は9日、阪神11Rに16頭で争われ、人気馬3頭を見る形で運んだ6番人気のエピセアロームが、1番人気のロードカナロア(2着)をゴール寸前で頭差捕らえ、2つ目の重賞タイトルを獲得した。勝ちタイムは1分7秒3。さらに首差の3着には12番人気のアンシェルブルーが入った。なお、スプリント女王カレンチャンは伸びを欠き4着に敗れた。
「うまくいきました。ある程度枠も良かったんで、後方に置かれないように気をつけた。前が強い馬だったし、分からなかったが、いい感じで伸びてくれた。いい馬に乗せてもらい、2回目で結果が出せてよかった」。充実の汗をぬぐった武豊は京都記念(トレイルブレイザー)以来、約半年ぶりの今年重賞2勝目。「僕自身、久しぶり。また秋に頑張りますよ」とユタカスマイル満開だ。
石坂師も表情が緩む。「GI級の馬を差し切った。このメンバーを相手に勝つんだから満点。エピ(セアローム)の未来が開けた」と絶賛する。この勝利で厩舎は全国トップの今年重賞8勝目。ローズS(16日・阪神)で牝馬3冠へ始動する、僚馬で同期のジェンティルドンナにも最高の形でバトンをつないだ。
師は「勝ったときに、と考えていた。体調が良ければだね。アストンマーチャンも3歳(07年)で勝ったし」とスプリンターズS(30日・中山)参戦を視野に入れる。00年にダイタクヤマトで厩舎初のGI制覇を果たしたレース、3度目のVが視界に入ってきた。スプリント界に誕生したニューヒロインが、栄光への階段を駆け上がる。
提供:デイリースポーツ