持ち味の決め手を発揮して古馬を撃破したクラレント=東京競馬場
「第15回富士S・GIII」(芝1600m)は20日、東京11Rに18頭で争われ、5番人気の3歳馬
クラレントが岩田の好騎乗に導かれて快勝。GI3着の舞台で鮮やかに復活し、昨年のデイリー杯2歳S以来ちょうど1年ぶりとなる勝利を挙げた。大外18番枠スタートから、中団やや前の位置をスムーズに追走。鞍上の追い出しに反応良くギアを上げて直線半ばで抜け出すと、差し勢の追撃を振り切った。勝ちタイムは1分32秒4。半馬身差の2着には5番人気の
ファイナルフォームが入り、3歳馬のワンツー。さらに鼻差の3着には14番人気の
ヒットジャポットが入った。なお、1番人気の
コスモセンサーは軽快に逃げたが直線で失速し8着に敗れた。
「NHKマイルCで3着の実績もあり、走るのは分かっていた。能力を十二分に発揮できれば、こういうパフォーマンスができるということ」とコンビ初結成での満点回答に、岩田は自然と“どや顔”で胸を張る。「馬の走りたい気持ちに逆らわずに流れに乗れたからね」。これで今年はGI5勝を含めて、JRA重賞9勝目。目下の勢いは手がつけられない。
古馬を撃破した自信を携えて、次戦はもちろんマイルCS(11月18日・京都)へ向かう。「良馬場が前提だけど、マイルなら強いな」と橋口師は同世代の僚馬
オリービン(スワンS=27日・京都=を経由)とのGI2頭出しを宣言。鞍上は未定ながら、岩田が「勝てるだけの力の持ち主」と太鼓判を押す3歳馬が一躍、マイル界の覇権争いの惑星に浮上した。
提供:デイリースポーツ