ここ1ヶ月ほど、非常に時計の掛かる重たい状態だったウッドチップ馬場だが、最近の天候で少しは馬場が回復。調教騎乗者からも「少しは走りやすくなっている」というコメントが出るほど、状態は良くなっている。
ただ基準時計が出るほど回復したというわけではなく、一時の極悪馬場ではなくなったという程度。現状であれば、時計が遅ければ評価を下げ、時計が速ければ評価を上げるという指標として十分に使えるのではないだろうか。
【坂路/4F51.9秒】
9日の一番時計が
サクラシェンロン(栗東・羽月友彦厩舎)の4F51.8秒。10日の一番時計が
メイショウデイム(栗東・佐山優厩舎)の4F51.6秒ということで、先週に比べると、51秒台が出るような馬場に回復している。
特に10日の方が馬場が回復している印象があるが、そんな中で動きが目立ったのは、淀短距離Sに出走を予定している
ブラボースキー(栗東・音無秀孝厩舎)。体重の軽い見習い騎手が跨っていたとはいえ、ゴールに近づくにつれてラップが速くなり、最後は1F12.5秒でフィニッシュ。併せた同厩ヒーローも攻め駆けするタイプだが、全く寄せ付けない感じで先着。1200mも2走目となる今回は大きな上積みがありそうだ。
先週の馬場差が「+2.7秒」だったが、今週は9日が『+1.2秒』、更に馬場が回復した10日が『+1.0秒』の馬場差で観測した。
【CW/5F66.5秒】
雨、雪の続いた年末には時計の掛かる状態となったCコースだが、坂路同様に、最近の天候によってウッドチップが回復。前半から行きたがるようなことがなければ、最後までしっかりと脚色が衰えない、通常時の馬場に近い状態。
日経新春杯に出走予定の
ムスカテール(栗東・友道康夫厩舎)は来週のAJCCを予定している
スカイディグニティとの併せ馬。W.ビュイック騎手が跨って、後方から追走する形だったが、直線で内に入ると、楽に相手を捕まえて先着のゴール。6F80.7〜5F66.1〜4F52.1〜3F37.7〜1F12.4秒とかなり速い時計をマーク。休養明け、右回りは決して得意な条件ではないが、6走前の休養明け、右回りの三田特別時よりは速い時計を出しているだけに、一定の評価はしなくてはいけないだろう。
なお今週の馬場差は回復したということで、9日、10日とも『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
まだまだウッドチップ馬場が悪いということで、今週もDポリトラック馬場を使用する馬は軒並み多い。また先週の万葉Sを勝った
デスペラードのように、最終追い切りをDPで行って、長距離のオープン特別を勝っている馬もいるだけに、ウッドチップで余計な負担を掛けるよりも、競馬を使い続けているような馬には負荷の軽いDPがいいのかも知れない。
動きが目立ったところでは、馬なりで5F61.4秒のピンポン(栗東・田中章博厩舎)や6F77.2〜1F11.6秒を馬なりでマークした
ドリームキャプテン(栗東・中村均厩舎)だろう。
なお今週のDPはこれまでとほぼ変わりなく、9日、10日ともに『-0.5秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)