1月14日の関東地方は大雪が降っているが、同日、栗東は大雨だった模様。翌15日は雨こそ降らなかったものの、水分が乾くほどの快晴というわけでもなかったので、追い切りが行われた16日、17日は少し雨が残るような状況。
特に17日は調教時間中に雨と雪が混じったような時間帯もあり、なかなか馬場状態は良化してこない。ひどく重たい馬場というわけではないものの、相変わらずウッドチップの状態は良くないといった感じ。
【坂路/4F51.9秒】
16日、17日通じての一番時計は
ダッシャーゴーゴー(栗東・安田隆行厩舎)の4F52.0秒。先週は4F51秒台が一番時計だったので、それに比べると、冒頭に記したように、雨の影響で時計が出にくい状態に逆戻りしている印象は拭えない。
そんな馬場であるにも関わらず、絶好の動きを見せたのが、東海Sに出走を予定している
グレープブランデー(栗東・安田隆行厩舎)。開門直後の馬場だったとはいえ、テンから14.8秒で入って、13.8〜12.4〜12.2秒と最後が最も速くなる加速ラップを踏めたのは優秀。もともと坂路での動きが目立つタイプといえ、これだけ動けたことはきっちり評価しないといけないだろう。
先週の馬場差が10日で「+1.0秒」だったが、今週は明らかに雨の影響を受けているため、16日、17日とも『+1.5秒』の馬場差で観測した。
【CW/5F66.5秒】
16日は全休明けということで、追い切る頭数が少ないと思われたが、19日に中山競馬場へ遠征に行く組(18日には栗東から競馬場へ輸送されるため)はこの日に追い切りという馬も少なくなかった。
そのうちの一頭がアレキサンドライトSに出走を予定している
スターバリオン(栗東・藤岡健一厩舎)。もともと使いたかったレースを除外されてのこのレースになるが、少し太目が残っていたので、調整期間が延びたことはむしろプラス。追い切りは単走だったが、テン行きたがった分、全体の時計が速く、6F79.8〜5F65.2〜4F51.4〜3F37.9〜1F12.4秒となってしまったが、終いの伸びは確実。
「少し太いかも知れませんが、馬体重がプラスでも全く気にしなくていいと思います。昇級戦で半年ぶりのレースともなれば、強気なことは言えませんが、能力があることは分かっていますし、期待は大きいですよ」と藤岡健一調教師。
なお今週の馬場差は雨の影響はあったとはいえ、特に時計を要すほどでもない。よって16日、17日とも先週と同じ『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
CWコースの状態がそこまで悪くないということで、DPコースを利用するのは普段から追い切りに使っている馬が多くなったという印象。AJCCに出走を予定している
ゲシュタルト(栗東・長浜博之厩舎)もそのうちの一頭。
約5か月ぶりの実戦となる、その最終追い切りだったが、ラストは1F11.5秒と悪くない。この数字は昨年のAJCC3着時と変わりないのだが、今回は5F時計が少し遅くなっている。また追われてからの反応も今年の方が少し鈍いのは休養明けかも知れない。
なお今週のDPはこれまでとほぼ変わりなく、16日、17日ともに『-0.5秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)