京都記念で復帰予定のショウナンマイティが抜群の動きを披露(撮影:井内利彰)
栗東は1月21日の夜から降り始めた雨の影響を大きく受け、ようやく回復傾向にあったウッドチップ馬場が再び重たくなる事態に。22日の調教時間中にも雨が降った影響は大きかったようで、坂路は再び極悪馬場へと変貌した。
それに比べるとCコースは先週より多少悪化したという程度だったが、これだけウッドチップの状態が悪いと、どこが基準なのかということを見失いそう。なかなか時計だけでは状態を判断しにくい状態が続いているだけに、個人的には実際に見た動きの印象も重視したい。
【坂路/4F51.9秒】
23日の一番時計は根岸Sに出走予定のエーシンウェズン(栗東・野中賢二厩舎)。この馬が一番時計を出すことは決して珍しくなく、速い時計を出せる馬ではあるが、その数字が4F52.4秒というところに、ウッドチップの重さが出ている。また52秒台はこの馬しかいないので、あとは53秒以上を要している。
終いは止まる馬が多い中、鋭い伸びを見せたのが、シルクロードSに出走予定のダッシャーゴーゴー(栗東・安田隆行厩舎)。4F55.5秒と遅かったとはいえ、1F12.2秒は傑出の数字。仕掛けてからの反応が素晴らしく、併せたカレンジェニオが止まって見えたほど。馬場が重いことを忘れてしまう伸びだった。
先週の馬場差が17日で「+1.5秒」だったが、再び雨の影響を受けた今週は23日が『+2.1秒』、少し馬場が乾いた24日は『+1.6秒』の馬場差で観測した。
【CW/5F66.5秒】
坂路に比べると、ウッドチップの乾きが早いのがCコース。先週も雨の影響を受けたとはいえ、基準時計よりも時計は出ているという「-」の馬場差をつけている。ただ今週、特に23日はそれよりも時計を要しているという印象を受けた。
ただ天候が回復して、馬場も乾いてきた24日はある程度時計の出やすい状況。動きの良さが目立つ馬が多かったが、その中でも特筆すべきは、京都記念(2月10日・京都芝2200m)を予定しているショウナンマイティ(栗東・梅田智之厩舎)だろう。
1回目のハロー明けを浜中俊騎手が跨っての追い切りとなったが、前半はゆったりとしたペース。速くなったのは、半マイル標識を過ぎたあたりだったが、そこからの加速力が絶品。時計は6F83.4〜5F66.7〜4F51.1〜3F36.5〜1F12.2秒と全体の数字は遅いが、3Fは強烈に速い。しかも見た目にはそこまでスピード感があるようには見えず、走りがゆったりしている。宝塚記念以来の長期休養明けだけに、息の保ちが心配なところだが、追い切りでの動きを見るかぎり、力を出せる状態にあると思える。
今週の馬場差は雨の影響を受けた23日が『-0.4秒』、24日は馬場が乾いて先週と同じ『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒】
22日から馬場が重いことが想定できたこともあり、各陣営とも、重い坂路では時計が出ないタイプをポリトラック馬場で追い切ることを予定したと思われる。その結果、久しぶりに追い切り頭数が100頭を超える盛況ぶりだった。
いくらでも速い時計は出るといった感じだったが、数字以上に素軽さを感じたのが、クーファゲルニカ(栗東・佐々木晶三厩舎)。ヒキャクノアシとの併せ馬だったが、相手の脚色が一杯になると、小気味よいフットワークで相手を煽ってみせた。新馬戦3着だけに、馬券的な妙味は薄いが、今週の未勝利戦はきっちり決めてくれるだろう。
なお今週のDPはこれまでとほぼ変わりなく、23日、24日ともに『-0.5秒』で観測している。(取材・写真:井内利彰)
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。