大阪杯へ向けた1週前追い切りを行ったエイシンフラッシュ(撮影:井内利彰)
ようやく、まともに近いウッドチップ馬場の状態に戻りつつあった、先週の栗東。しかし、18日の激しい雨の影響をまともに受け、19日の時点で坂路馬場のウッドチップは相当重い状態。19日は曇り空に時折、雨も混じるような天候だったこともあり、馬場は全く回復することなく、20日を迎えた。
Cコースはまだしも、坂路馬場は本当に重い状態。20日夜には再び雨が降り、21日も時計の掛かる馬場状態となっている。
【CW/5F66.5秒】
かなり時計の出る状態だった先週のCコースに比べると、さすがに今週は雨の影響を受けている。とはいっても、プラスの馬場差をつけるほど、時計が掛かっているというわけではなく、基準時計に近い状態になってきたという程度。
21日、大阪杯へ向けた1週前追い切りを行ったのが、エイシンフラッシュ(栗東・藤原英昭厩舎)。今朝もC.デムーロ騎手が跨っての追い切りだったが、調教馬場へ入る前には、ジョッキーがエイシンフラッシュの首筋を何度も撫で、優しく話かける姿が印象的だった。
エアラギオールが引っ張る流れを追走したが、決して行きたがるようなシーンはない。むしろ鞍上の指示をじっと待つ、折り合い抜群で直線を迎える。前との差が2馬身以上ある状態だったが、ラスト1F地点で、軽く仕掛けられると、スムーズに反応して、最後は同入でゴール。6F85.6〜5F68.3〜4F52.6〜3F37.9〜1F11.5秒で、ラスト1Fの伸びが秀逸。これが追われずに出た時計という点が、また評価できるので、休養明けとしては、最高の状態でレースを迎えることができそうだ。
馬場差だが、先週よりも時計の掛かる状態になっているが、基準時計よりは速い時計も多いので、20日、21日とも『-0.3秒』で観測した。
【坂路/4F51.9秒】
20日の一番時計は4F52.4秒のセイカプリコーン(栗東・服部利之厩舎)。時計の掛かる重い馬場状態でも、軽い馬場状態でも速い時計が出るタイプだけに、この馬の数字はあまり参考にならない。むしろ、全体的に見て、セイカプリコーン以外で4F53秒を切った馬がいないという点が時計の掛かる馬場状態を物語っている。
4F53.1〜1F13.5秒のエピセアローム(栗東・石坂正厩舎)はニューダイナスティとの併せ馬だったが、手応えで相手を圧倒しての先着。もっと速い数字が出ていそうな感じだったが、それでも終いの時計を要しているというのは、馬場が重いという以外に原因はない。
また一番勾配が急になり、苦しくなる箇所が馬場が重いということで、右へ左へヨレる馬も続出。こうなると、時計が遅かったとしても、まっすぐに駆け上がることができている、そんな馬が好調キープという見方をすべきではないだろうか。
馬場差は、先週よりも明らかに時計の掛かる状態。20日は『+2.3秒』で観測。21日は更に雨の影響を受けているので、『+2.5秒』で観測することにした。
【DP/5F64.5秒】
ウッドチップ馬場の状態が悪いということで、さすがに追い切りが集中。100頭には達していないものの、60頭以上は時計の出やすいDコースのポリトラック馬場を選んで、追い切りを行っている。
さすがという動きを見せたのは、六甲Sの出走を予定しているサンレイレーザー(栗東・高橋義忠厩舎)。藤岡康太騎手が跨っての単走追い切りだったが、テンから馬の行く気に任せる調教で、6F74.8秒。最後まで余力十分だったし、これくらい攻めた追い切りの方が結果が出るタイプだろう。
馬場差は20日、21日ともに先週と同じ『-1.0秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)