オルフェーヴルの5歳シーズンが、いよいよここから動き出す。年齢を1つ重ねても、事情は何も変わらない。この馬にとっては全てが「負けられない戦い」だ。休み明けでも、メンバーがいくらそろおうと、GIIならばなおさら。13年をリベンジの一年と位置づけるならば失敗は許されない。
週明けの森沢助手は泰然自若としていた。「体調はいいですし、変わりなくきています。順調が何よりです」。とりまく事情と同じく、オルフェ自身も変わらぬことが、かえって心強い。
2月末にノーザン
ファームしがらきから帰厩。順調に乗り込みを重ねて、21日には栗東坂路で池添を背に1週追い切りを行い、4F53秒8-13秒3(一杯)。そして、24日の未明にも登坂し、4F54秒5-13秒3(馬なり)をマークした。「帰ってきたときは疲れもすっかり抜けて、いつもの感じになっていました。ふっくらしていい雰囲気ですよ」と森沢助手。普段通りが一番いいことだ。
もちろん、今回が状態を上げていく“起点”だ。池江師は「
ロケットを打ち上げるんじゃない。飛行機を離陸させる感じで。滑走路をきちんと走らせてね」とイメージを語った。ベテランの
パイロットでも、離着陸の瞬間が最も緊張するという。焦らぬ仕上げには違いない。しかし、機首が上を向く今、出ばなをくじかれるわけにはいかない。
提供:デイリースポーツ