メイダン競馬場の芝コースで最終調整するジェンティルドンナ
日本の競馬史を塗り替えたスーパーヒロインが、世界にその力を誇示する時がやってきた。3歳牝馬で初めて年度代表馬に輝いたジェンティルドンナはレース前日、芝コースで軽いキャンターの調整。力強い走りで、リズムが崩れることは一切なかった。ドバイに移ってからの1週間のプログラムは、指揮官の思い通り、いや、想像を超える水準で完璧に遂行された。
記者会見に臨んだ石坂師は、充足感から表情に余裕を漂わせた。「いい最終調整ができました。あしたが競馬なのかと思うほど落ち着いています」。今回は初めての海外遠征。牝馬だけに、カイ食いが細くなる覚悟をしていたが、現状で470キロ前後(前走のジャパンC出走時は460キロ)と馬体減もない。
岩田も戴冠への準備に抜かりはない。木曜に2400mあるメイダンの芝を1周走破。観察していたトレーナーは「しっかり完走していたよ。倒れるんじゃないかと思って見ていたけど」と話し、報道陣の笑いを誘った。
英国大手ブックメーカーの単勝オッズでは、ジェンティルドンナが2.5倍で1番人気。2番人気にセントニコラスアビー(4.5倍)、3番人気にシャレータ(6.5倍)が続く。「光栄ですね。そのなかでいい競馬をしたいと思っています」と、石坂師は力強い言葉で会見を締めた。世界中の視線を一身に浴び、ジェンティルドンナの海外ツアーが幕を開ける。
提供:デイリースポーツ