状態も上がってきているマイネオーチャード(撮影:佐々木祥恵)
マーメイドS(GIII・牝馬限定・ハンデ・芝2000m)に出走予定のマイネオーチャード(牝5)、エプソムC(GIII・芝1800m)とマーメイドSを両睨みのアカンサス(牝5)、先週金曜日(5/31)に入厩したコスモバルクの半弟・フェバリットブルー(牡2・父ロージズインメイ)について、管理する畠山吉宏調教師に取材した。
マーメイドSに出走するマイネオーチャード。
「前走(パールS・芝1800m・3着)は自己条件(1600万下)で牝馬同士の一戦でしたので、何とかこのクラスを卒業したいと思い、関西に遠征をしました。前日の雨で内側が伸びない馬場でしたし、通ったコースの差の分の負けという感じで、悲観する内容ではなかったと思います。
戻ってきていからも馬体の方にも大きな変調もなく、先週も坂路で50.1の終いが12.0という時計でやれました。今日(6/5)は、坂路でほぼ馬也でしたが、51.5の終いが12.2と、それなりに時計が出ているように、良い状態ですね。使われて良くなる馬ですし、ここまで2戦使われて間違いなく上向いています。距離に関しても、勝ち星(4勝すべてが2000m)が示す通り、前走の1800よりも1ハロン延びる今回の方が間違いなくプラスです。阪神も2戦して2着2回と走っていますし、斤量も上は56キロの馬がいますので、53キロと軽い分も良いと思います。去年も夏から使って、力をつけていって秋にエリザベス女王杯(GI・芝2200m・4着)で好走してくれました。そこから1年たって、馬も更にしっかりしてきました。まだ条件馬ではありますが、状態も上がってきている今回、いい勝負ができるのではないかと思っています」
エプソムCとマーメイドSを両睨みのアカンサス。
「前走の福島牝馬S(GIII・芝1800m)は、4コーナーで狭くなり、前の馬に乗りかけてバランスを崩す形になってしまって、11着という結果でした。昨年の秋はオープン特別(アイルランドT・芝2000m)ですけど、骨っぽい男馬相手にいい脚を使って差し切り勝ちをしてくれましたので、条件さえ揃えばもっとやれると思います。前走後は山元トレセンに放牧に出し、今週を目標に帰厩しました。中間もこの馬にしては飼い葉食いが良く、体の減りもなくなっています。先週はウッドチップコースで、前の馬を追いかける形のハードなトレーニングをしました。これまでは坂路主体でしたから、それだけ馬がしっかりしてきたのだと思います。
今週はいつも通り坂路で柴山騎手が騎乗しての追い切りでしたが、ほぼ馬也でサッと上がってきたわりには、いい感じの時計が出ていますし、状態も良いですね。良馬場で走らせたいので、天気予報を見てエプソムにするかマーメイドにするかを検討しているところです。マーメイドは牝馬同士ですし、55キロでもやれそうですね。エプソムは男馬相手となりますが、この馬には東京コースは条件が良いですし、東京での1800mにも勝ち鞍がありますので、展開が向けば良い勝負ができると思います。
秋は関西の大きなところを目指したいと考えていますので、ここは着順を上げていきたいですね」
コスモバルクの半弟・フェバリットブルーは、先週の金曜日に美浦に入厩した。「まだ体型がコロンとはしていますが、男馬ということもあり、全姉のブーケドロゼブルーが入厩した時よりも馬体がしっかりしている感じですね。うるさい面も見せていますが、同じ2歳馬と一緒に調教を進めていけそうですし、すぐに環境に慣れるでしょう」と畠山吉宏調教師。現在はゲート試験に向けて、ゲート練習中心に調教されている。偉大な兄に続けるか、今後が楽しみな1頭だ。(取材・写真:佐々木祥恵)