28日、東京競馬場で行われたジャパンCダート(G1・ダート2100m)は、武豊騎手騎乗の4番人気タイムパラドックス(牡6、栗東・松田博資厩舎)が、中団やや後方待機から4角で内を突くと、中団追走から外に持ち出した圧倒的1番人気(単勝170円)アドマイヤドンを2.1/2馬身差退け快勝した。勝ちタイムは2分08秒7(良)。さらに1馬身差の3着には好位から粘った7番人気ジンクライシスが入り、00年、02年に続き3度目の日本馬による1〜3着独占となった。2番人気トータルインパクトは先行するも4着、3番人気ローエングリンはスタート直後から先頭に立ち4角まで逃げるも直線伸びず13着に敗れた。
勝ったタイムパラドックスは、父ブライアンズタイム、母ジョリーザザ(その父Alzao)という血統で、従兄には96年天皇賞・春、有馬記念(共にG1)を制したサクラローレル(牡13、父Rainbow Quest)がいる。今年1月の平安S(G3)で重賞初制覇を果たし、4月のアンタレスS(G3)で重賞2勝目。その後もブリーダーズゴールドC(交流G2)、白山大賞典(交流G3)を制している。前走・JBCクラシック(交流G1)ではアドマイヤドン(牡5、栗東・松田博資厩舎)の3着に敗れていた。今回の勝利で重賞5勝目、G1は初制覇。通算成績は31戦12勝(うち地方4戦2勝)となった。ブライアンズタイム産駒には、01年東京大賞典(交流G1)などを制した制したトーホウエンペラー(牡8)がいるが、JRAのダートG1は初制覇となる。
鞍上の武豊騎手は、01年にクロフネで制して以来同レース2度目の制覇。JRA重賞は今年16勝目で通算193勝目。G1は、ダンスインザムードで制した桜花賞(G1)、アドマイヤグルーヴで制したエリザベス女王杯(G1)に続き3勝目、通算44勝目となった。管理する松田博資調教師は同レース初制覇。02年、03年とアドマイヤドンでそれぞれ3、2着があった。今年はタイムパラドックスで制したアンタレスS(G3)に続きJRA重賞4勝目で通算25勝目。G1はアドマイヤドンで制したフェブラリーS(G1)に続き2勝目で通算7勝目となった。