28日、東京競馬場で行われたジャパンC(G1・芝2400m)は、O.ペリエ騎手騎乗の1番人気ゼンノロブロイ(牡4、美浦・藤沢和雄厩舎)が、中団追走から直線半ばで先頭に立つと、2番手追走から直線で一旦は3番手に後退しながらゴール前で再び盛り返した2番人気コスモバルクに3馬身差をつけて圧勝した。勝ちタイムは2分24秒2(良)。さらにクビ差の3着には後方から追い込んだ7番人気デルタブルースが入り、昨年に続いて日本馬が1〜3着を独占した。
3番人気に支持されたハーツクライは、最後方待機策も直線伸びず10着に敗れた。ジャパンCダート(G1)をタイムパラドックスで制した武豊騎手のG1連勝はならなかった。外国馬の最先着は、14番人気ポリシーメイカーの4着で、8番人気パワーズコートは10着(同着)、9番人気ウォーサンは15着に敗れた。
勝ったゼンノロブロイは、父サンデーサイレンス、母がバレリーナH(米G1)の勝ち馬ローミンレイチェル(その父マイニング)という血統で、半姉のダーリングマイダーリング Darling My Darling(牝7、父Deputy Minister)は、メイトロンS、フリゼットS(共に米G1)で2着の実績馬。デビュー4戦目の青葉賞(G2)で初重賞制覇を飾ると、日本ダービー(G1)ではネオユニヴァースの2着に好走。秋初戦となった神戸新聞杯(G2)では、2着サクラプレジデントに3.1/2馬身差をつける圧勝で制したが、続く菊花賞(G1)では4着に敗れ、有馬記念(G1)でも3着。今年に入り日経賞(G2)、天皇賞・春(G1)で共に2着、宝塚記念(G1)4着と勝ち切れない競馬が続いた。秋初戦の京都大賞典(G2)でも2着に敗れたが、前走の天皇賞・秋で念願のG1制覇を果たしていた。通算成績14戦6勝(G1・2勝)。
日本馬の優勝は10回目(24回中)で、1番人気馬の勝利は、85年シンボリルドルフ、00年テイエムオペラオーに続き史上3頭目。1、2番人気馬での決着は、1着ジャングルポケット(2番人気)、2着テイエムオペラオー(1番人気)で決着した01年に続き史上2回目となる。サンデーサイレンス産駒の優勝は、99年スペシャルウィークに続き2頭目。
鞍上のO.ペリエ騎手は、01年ジャングルポケットに続き、同レース2勝目。同レース2勝は、岡部幸雄騎手(85年シンボリルドルフ、92年トウカイテイオー)、L.デットーリ騎手(96年シングスピール、02年ファルブラヴ)に続き史上3人目。JRA・G1は、00年フェブラリーS(ウイングアロー)、02、03年有馬記念(シンボリクリスエス)など通算10勝目。JRA重賞は通算31勝目。管理する藤沢和雄調教師は、95年タイキブリザード(4着)から延べ9頭目のジャパンC出走で初勝利となった。JRA・G1は、桜花賞(ダンスインザムード)、天皇賞・秋(ゼンノロブロイ)に続き今年3勝目で通算では19勝目。JRA重賞は通算70勝目。