キングジョージ6世&クイーンエリザベスSは独の4歳馬ノヴェリストがレコードV。各種ブックメーカーは凱旋門賞の最有力候補へと評価を上げた(撮影:沢田康文)
現地時間27日、上半期の欧州最高峰を競う英GI“キングジョージ6世&クイーンエリザベスS”がアスコット競馬場で行われ、ドイツから遠征したノヴェリスト(牡4、A.ヴェーラー)が2分24秒60(良)のコースレコードで優勝した。
6月のサンクルー大賞を快勝しながらも、この日は単勝4番人気に甘んじていたノヴェリスト。道中4番手から早々と先頭に立つと、まるで低評価をあざ笑うかのように独走状態に入り、最後は2着に粘った愛ダービー馬トレーディングレザーに5馬身もの着差を付けゴールに飛び込んだ。キングジョージでのドイツ調教馬の優勝は昨年のデインドリームに続く2年連続の2回目。
手綱をとったJ.ムルタ騎手は、「彼は素晴らしいエンジンを備えたベリーハイクラスホース。これまでに勝たせてもらったキングジョージ(03年アラムシャー、07年ディラントーマス、08年デュークオブマーマレード)の中でも印象的な走りだった」とパートナーを絶賛した。猛暑の影響から、この日のアスコットはひとつ前のレースでもレコードが出る高速ターフではあったが、勝ち時計は3年前にハービンジャーが記録したレコードを一気に2秒18も縮める素晴らしいものだった。
この勝利で通算成績を10戦8勝2着1回とし、今年は3戦無敗。3歳時から日本の生産者グループが触手を伸ばしていた素質馬が完全に本格化の時を迎え、ウィリアムヒル社は凱旋門賞の前売りで同馬をフリントシャーと並ぶ単勝6倍の1番人気とした。(取材・写真:沢田康文)