バーデン大賞を勝ったノヴェリスト、次走はJ・ムルタ騎手で凱旋門賞へ(写真はキングジョージ勝利時、左がA・ヴェーラー調教師、撮影:沢田康文)
現地時間1日、独GIバーデン大賞(芝2400m)がバーデンバーデン競馬場で行われ、断然の1番人気に支持されたノヴェリスト(牡4、A・ヴェーラー)が2分33秒90の勝ち時計で優勝した。
キングジョージを5馬身差のレコードタイムで圧勝し、来月行われる凱旋門賞の有力候補となっているノヴェリスト。レース序盤は抑えきれずに先頭を走り中盤からは2番手に控えると、直線は馬群の内側に進路を取った。地元ドイツのファンの前で、凱旋門賞前に走る最後のレース。
この日はわずか5頭立ての競馬で、2着馬との着差は3/4馬身。派手なパフォーマンスは封印されたものの、最後は格の違いできっちりと抜け出した。仏GIサンクルー大賞の勝ち馬で、昨年のフォワ賞でオルフェーヴルの2着に入ったメアンドル(牡5)が約1馬身半差の3着だった。
ノヴェリストを管理するA・ヴェーラー調教師は、「きょうは80〜90%の仕上げだったが、最大目標である凱旋門賞は最高の状態で迎えたい」とし、5週間後に迫った大一番へと決意を語った。今回は厩舎の主戦を勤める黒人騎手のE・ペドロザが手綱をとったが、凱旋門賞ではキングジョージで手綱をとったJ・ムルタに再び乗り替わる。オルフェーヴルとキズナにとって強力なライバルの一頭となるドイツの怪物が、ひと足早く“試走”を終えた。(取材・写真:沢田康文)