29日(日)に中山競馬場で行われる第47回スプリンターズステークス(GI・芝1200m)に出走するハクサンムーン(牡4、栗東・西園正都厩舎)について、追い切り後の関係者のコメントは以下の通り。
●ハクサンムーンについて西園正都調教師
「今朝は坂路で、4ハロンは54秒台でしたが、最後の2ハロンが24秒台、1ハロンも12秒1でしっかり気合いをつけて上がってきましたし、スイッチも入ったと思います。1回使うたびに近くの宇治田原ステーブルへリフレッシュ放牧してきましたが、今年の夏の酷暑もうまく乗り切れたと思います。夏負けもなく、コンスタントに動いてくれるので、うまく調整できました。
さすがにセントウルSを勝った後は、次の日の朝に馬を見に行ったら寝ていましたし、昼に見に行ったときも同じ場所でじっと寝ていたくらいだったので、ちょっと堪えていたのでしょう。それでも、その次の日からは元気に走り回っていましたし、割と疲労回復の早い馬ですから、その点に関しては心配していません。
GIですが、いつもの通り平常心で走ってくれれば結果は出ると思っています。年齢とともに馬も落ち着いてきて、新馬戦の頃に450キロくらいだった馬が、今は480キロ台でコンスタントに走れるようになりましたから。メンタルと体の成長がうまくマッチしてくれました。
やっぱりロードカナロアはワールドクラスの馬ですね。香港マイルへサダムパテックやエーシンフォワードを連れて行って経験しましたが、あの厳しいアウェーの環境の中で勝ってくるんですから、精神も体も並大抵の強さではないなと...。そんな馬を前走で負かした訳ですから、改めてこの馬を誉めてやりたいな、と感じました。
今回は(ロードカナロアとの)斤量の2キロ差もなくなりますし、ロードカナロアは去年もセントウルS2着から一気にGIを連勝しましたから...気後れは無いですが何とか負かしたい、という気持ちでぶつかって行きたいと思います。もうこの馬は自分の競馬をして、思う存分力を発揮してそれで負けたら仕方ないと思いますから。いつもと同じ競馬をさせたいですね。
自分が出来ることは全てやりました。あとは運を天に任せて問うだけです。是非、皆様の後押しをよろしくお願いします」
●ハクサンムーンについて酒井学騎手
「この馬にはいい時に乗せて頂いて、その分結果も一緒についてきているので、一つ一つ力をつけている事を掴みながらここまで来られました。コンビという名に恥じない信頼関係を作れていると思うので、楽しみです。
この夏はCBC賞も強い馬相手に恥じない2着だと思っていましたし、それをしっかり証明してくれたのがアイビスサマーダッシュでした。直線1000mという特殊な条件で次の1200m戦に影響したらとは考えていましたが、その中で色々な事を思わせてくれましたし、僕にとっても色々得るものがありましたね。大きい収穫がありました。それがあってのセントウルSでしたし、ただ行くだけの馬じゃないことを証明できて、本当に良い状態でここに向かえると思います。
セントウルSではロードカナロアも100パーセントの状態では無かったですし、2キロの斤量差があったとしても、世界で活躍する馬を負かした訳ですから、良い形で本番に臨めると思いました。馬がもちろん力をつけていますし、スタッフや関係者にとってもロードカナロアを負かして自信がつきましたから、その自信をもう一回このガチンコ勝負の場でしっかりぶつけて、120パーセントくらいの力を出せる騎乗をしなきゃいけないと思っています。正々堂々と今回は挑むつもりです。
(―酒井学騎手が乗って、一度もハナを譲っていないかと思いますが)この馬の一つの形として、ハナを切るというスタイルがありますし、負けたレースでも逃げて後ろからつつかれて、ちょっとオーバーペースになったような形ですからね。力で負けたとは思っていませんでしたし、行く事で『あの馬は絶対行くんだな』と印象付けもできてきたと思います。ですから今回もハナを譲る気は無いですし、この馬の正々堂々の競馬をしたいと思います。
皆さんのハクサンムーンのイメージはハナに行って、というものだと思うので、今回もそういう競馬で強さをしっかり見せつける競馬が出来るように僕も頑張ります。応援よろしくお願いします」
(共同会見より〜取材:大関隼)
提供:ラジオNIKKEI