栗東坂路で追われたメイショウマンボ(左)は抜群の加速力を披露
樫の女王は栗東坂路の急こう配でグイグイ加速した。メイショウマンボはラスト1Fの標識を待たずして併走馬メイショウキラリ(4歳1000万下)をかわすと、ハミをかけ直されただけで2馬身、3馬身…と差を広げる。4F52秒3-37秒9-12秒4。ラスト2Fは11秒9-12秒4の高速フィニッシュだ。
GIウイナーとして臨んだ前走のローズSが0秒1差の4着。「馬場状態が重く、追い切りも足りなかったのに格好をつけてくれました」と飯田祐師が言えば、武幸も悲観はしていない。「勝てれば良かったんですが、オークスの時のようにイレ込むことがなく、次へ望みがつながるレースができました」。それどころか、鞍上は追い切りでの感触を振り返りつつ「1度使ったことで着実に良くなっていて、上積みを感じます」と順調な仕上がりに目を細めた。
この日、父・飯田明師に代わり共同記者会見に出席した飯田祐師は、騎手時代の昨年11月にマンボを新馬勝ちへと導いている。デビュー当時と比較して「全然違います。体がしっかりとして、いろいろなレースを経験したことで中身ができてきました」と心身両面での成長を強調した。1週前に栗東CWの併せ馬で6F79秒4-38秒0-12秒3とハードに攻めても耐え抜き、今週もしっかり負荷をかけられたのはその証しだ。
オークスでは、道中でため込んだパワーを直線で存分に吐き出し、メンバー最速タイの上がり3F34秒6を記録してV。今回は全体の距離こそ前走から200m長くなる一方、阪神の外回りから京都の内回りへ舞台が変わることで直線は約150m短くなるが、主戦はどっしりと構える。「無理に末脚にかける必要も、前へ行く必要もありません。メイショウマンボのリズムで走らせられれば」。人馬一体で、2冠獲りを決めるつもりだ。
提供:デイリースポーツ