接戦を制してタイトルをつかんだアースソニック(手前)=京都競馬場
M.デムーロの手腕が光った。「第58回京阪杯・GIII」(芝1200m)は23日、京都11Rに17頭で争われ、前走で準オープンを勝ち上がったばかりの7番人気アースソニック(栗東・中竹)が実績馬を撃破して重賞タイトルを獲得した。逃げた8番人気のアイラブリリ(2着)を深追いせず、泳がせる形の2番手でレースを支配。先行馬有利の流れから絶妙のタイミングで相棒にゴーサインを送ると、懸命の粘りを見せる2着馬を最後の1完歩で首差かわしてゴールへ飛び込んだ。勝ちタイムは1分7秒5。さらに首差の3着には勝負どころで3番手のインまで押し上げていた10番人気のスギノエンデバーが入り、ロスなく前で運んだ組が上位を独占。1番人気のプレイズエターナルは脚は見せたが4着が精いっぱいだった。
「掛かったけど、途中からリラックスさせられた。賢い馬」とM.デムーロは流ちょうな日本語で答え「明日も全力を尽くしたい」とエイシンフラッシュで参戦するジャパンCに向けて自らを鼓舞した。
中竹師にとっては5度目の重賞Vだが、これまでとはひと味違う美酒となった。「半端なくうれしい。15歳からかわいがってもらっている馬主さんだから格別」。ジョッキー時代、最後の勝利が前田幸治オーナーの馬だった。その縁に感謝して目尻を下げた。
出世レースを制した。2年前の勝ち馬ロードカナロアはその後、最強スプリンターに躍進。昨年の勝ち馬ハクサンムーンは今年のサマースプリント王者に輝いた。
「春よりも実が入って成長がみられるからね。(来年の)高松宮記念が大目標」。まだ扉をあけたばかり。伸び盛りの4歳馬がさらなる高みを目指す。
提供:デイリースポーツ