マジックタイムに騎乗予定の後藤浩輝騎手(撮影:佐々木祥恵)
阪神ジュベナイルフィリーズ(GI・2歳OP・牝馬限定・芝1600m)に出走予定のマジックタイム(牝2・中川公成厩舎)と、鹿戸雄一厩舎の3頭(フォーエバーモア、マイネグラティア、エクスペリエンス)、トーセンシルエット(牝2・菅原泰夫厩舎)についての陣営のコメント。
マジックタイムについて、中川調教師。
「元々ゲートは速いというほどではないのですが、前走は横を向いた時にスタートを切られてしまって出遅れました。前を向いている時にスタートできれば大丈夫でしょう。
2歳はどの馬にも言えることですが、この馬も背中から腰にかけて緩さがありますし、これまで平坦コースでしか走っていませんので、坂のあるコースはやってみないとわかりません。
今後、馬がしっかりしてくれば、もっと良くなるのではないかと思います。
距離は延びた方が良さそうですし、後藤騎手もそう言ってくれています。
輸送に関しては、これまで福島と新潟への輸送競馬しかしたことがありませんので、心配はしていません。成長期なので使うたびに体も増えていますしね。楽しみはあると思っています」
同じくマジックタイムについて、後藤浩輝騎手。
「先週はまだ体に緩さを感じましたが、今日(12/4)はパンとした感じがしました。左手前に替えたがらないところがあるで、今日の追い切りでは手前を替えやすいように外を回りました。併せた馬の内を回ってしまうと、外にいる馬のプレッシャーで手前を替えずらいですからね。今日は左手前でも良い加速を見せてくれましたし、加速してからのもうひと伸びもありました。
爆発力がある馬ですが、気持ちが敏感ですので、スイッチの押しどころを間違うと違った方に爆発してしまう可能性があります。ただ厩舎で大事に育ててくれていますし、現状ではそういう面は見せていません。
これまでは後ろからのレースをしていたようですが、スタートが良ければ馬の邪魔をせず無理に抑えずに、もう少し前に行ってもいいと思っています」
フォーエバーモア、マイネグラティア、エクスペリエンスについて、鹿戸(雄)調教師。
「フォーエバーモアの前走のサフラン賞(500万下・芝1400m・1着)は、早め早めの競馬になりましたが、蛯名騎手もいろいろ考えて乗ってくれましたし、強い内容の競馬でした。
前走後はここを目標に短期放牧に出しましたが、帰厩後も予定通り順調に来ています。
今日の追い切りは、輸送があるので8割程度でという指示でした。予定よりも時計は速くなりましたが、余裕があって良い雰囲気で走っていましたし、良い稽古ができたと思います。
北海道に行ったり、天栄(福島県)に放牧に行くなど、小さい頃から何度も輸送を経験していますので、輸送競馬も気にしていません。
マイネグラティアは順調に来ていますが、イレ込みが激しい馬なので落ち着いてくれればと思っています。ただ前走よりは、中間は落ち着いて稽古が出きていますし、体も戻ってきています。
前2走(アルテミスS・芝1600m・8着/新潟2歳S・GIII・芝1600m・7着)は、前が詰まってスムーズな競馬ではありませんでした。スムーズに運べれば、いい脚を使えますし、もっとやれると思います。あとはイレ込みが心配ですね。
エクスペリエンスは、小さい馬ですが、なかなか根性があります。せっかくですし、強いメンバーと走らせるのも良い勉強になると思い、今回はGIに挑戦させます。
8月に未勝利(芝1200m)を勝った時は、新潟は頭数が多く、函館が少なかったので、直前輸送で函館に運びました。6頭立てでしたが、骨っぽいメンバーが揃っていましたし、直前輸送で勝ってくれましたので、タフな馬なのでしょうね。
前走(カンナS・2歳OP・芝1200m・9着)は大きく出遅れて競馬になりませんでしたが、小さいわりに落ち着いていますので、距離も大丈夫だと思います。
強い馬と戦わないと強くはなれませんので、そういう意味もあって、今回は3頭をGIに挑戦させてみることにしました」
トーセンシルエットについて、菅原調教師。
「この世代の牝馬は強いですが、この馬も相手なりに頑張ってくれています。それほど切れるわけではありませんが、しぶとく脚を使ってくれます。追い切りの動きも良かったですし、今は輸送も問題ありません。楽しみにしています」
※なお、マイネグラティア、エクスペリエンス、トーセンシルエットは抽選対象。(取材・写真:佐々木祥恵)