活気あふれる動きに、
ポーカーフェースで知られる助っ人の頬が緩んだ。
ゴールドシップは新コンビのムーアを背に、須貝厩舎にしては珍しい3頭併せ。1週前につけたものよりさらに深い、両目を半分近く覆うブリンカーを装着して栗東CWに現れた芦毛の怪物は、
ワールドダンス(2歳500万下)、
アドマイヤランディ(2歳新馬)を追走。3コーナーで前を射程圏に入れると、直線手前で2頭の間を割って先頭へ。終始、キビキビとしたした走りで前者に1秒1、後者に0秒5先着した。「先週よりも動きは良かったし、馬が楽しく走っていた」。新たな“かじ取り役”は満足げに振り返った。
6F81秒2-39秒7-12秒1。刻んだタイムも文句なしだ。テン良し、中良し、しまい良しの内容に、須貝師は思わず右親指を天に突き立てた。「引き揚げてきたライアン(ムーア)も笑っていたやろ?良かったわ。これ(ブリンカー)が効いているな」と納得の内容に声を弾ませる。「2歳馬の間を割って、抜け出してからの様子を見ていたが、すごく集中できていた。競馬でも(ブリンカーを)つけていく」と実戦での“新兵器”導入を明言した。
このままでは終われない。秋初戦の京都大賞典は5着に終わり、巻き返しを期した前走
ジャパンCは15着と惨敗。完全復活へのカンフル剤として4冠奪取に貢献した内田博を降ろし、ムーアに鞍上を
チェンジした。「前走は本来の動きではなかったからね。ムーアには
ゴールドシップのいいところを引き出してくれれば」と指揮官。
ジャパンCで
ジェンティルドンナを、朝日杯FSで
アジアエクスプレスをVに導いた名手に全てを託す構えだ。
同じステイゴールド×メジロマックイーンの血を持つ
オルフェーヴルとの最初で最後の対決。「レースまでの数日間を楽しみにして過ごしたい」とムーアが口にすれば、師も「どんな走りをするか楽しみ」と期待を寄せる。2戦2勝の舞台で復権を狙う。
提供:デイリースポーツ