大生垣障害を先頭で飛越するアポロマーベリック(中央)=中山競馬場
不運が続いたハードル界に若き王者が誕生した。「第136回中山大障害・JGI」(芝4100m)は21日、中山10Rに16頭で争われ、レース中盤から果敢に先頭に立った5番人気の
アポロマーベリック(美浦・堀井)がそのまま後続を寄せつけず8馬身差で完勝。ジャンプレース7戦目の4歳馬が一気に頂点に上り詰めた。勝ちタイムは4分45秒8。後方でじっくり構えた8番人気
ハッピーティアが力強く伸びて2着。さらに3/4馬身差の3着は2番人気の
メイショウブシドウ。1番人気の
バアゼルリバーはさらに鼻差の4着に終わった。
「テンからハナも考えていたけど、一番いい形で競馬ができた」と五十嵐。「踏み切りが合わなくても対処できる馬。障害センスの塊みたい」。終始安定した飛越を見せると、温存していた末脚をラストに全開させた。
自身にとっても待望のGI初V。「結果を出せて良かった。本当にうれしい」と破顔一笑。堀井師も「(平地の)1000万下で頭打ちだったので障害に転向させたけど、本当に上手な馬。大障害は初めてだったので不安もあったけど、期待もしていました」と満足そうにうなずいた。今後はひと息入れて、来春の中山グランドジャンプ・JGI(4月19日・中山、芝4250m)を目指す。新境地を切り開いた4歳馬が、ハードル界の絶対王者へ突き進む。
提供:デイリースポーツ