大混戦のフェアリーSを制したオメガハートロック(中)=中山競馬場
自慢の末脚で混戦を断った。「第30回フェアリーS・GIII」(芝1600m)は13日、中山11Rに16頭で争われ、中団の外めを追走した戸崎圭騎乗の1番人気オメガハートロック(美浦・堀)がゴール前で計ったように差し切り勝ち。出走全馬が1勝馬という傑出馬不在の一戦を制し、無傷の2連勝でエリートコースに乗った。勝ちタイムは1分36秒3。首差の2着は勝ち馬と併せ馬の形で脚を伸ばした10番人気のニシノアカツキ。さらに首差の3着は押し出されるようにハナを切った4番人気のリラヴァティが入った。
前半3Fの通過が36秒1のスローペース。スタートがひと息だったうえ、道中では行きたがるそぶりを見せたが、直線では他馬の間を力強く割って出た。戸崎圭は「能力の高さを再確認できました。最後はしっかりと伸びて勝負根性を発揮してくれましたね」と感心しきり。「距離が延びても大丈夫です」。2か月半ぶりの実戦で、まだ良化の余地を残しながらの勝利に将来性の高さを感じ取る。
今回は出走全馬が賞金400万円の1勝馬。阪神JF組との比較を論じるのは早いだろう。それでも異父姉オメガハートランド(12年フラワーCをV)の同時期よりひと足早いタイトル獲得と、十分な伸びしろには“可能性”が詰まっている。
今後の進路は未定だが、レッドリヴェールを2歳女王に導いた戸崎圭にとってはうれしい悩みが増えた格好だ。鞍上が「これからが楽しみ」と期待する関東の新星が、牝馬クラシック戦線でどんな走りを見せるか、注目だ。
提供:デイリースポーツ