スムーズなフットワークをみせたトウケイヘイロー(撮影:井内利彰)
2月らしい、厳しい寒さとなった、今週の栗東だが、天候には恵まれ、雨が降ることなく、ウッドチップ馬場の状態は安定。先週14日に降った大雪の影響はほとんどなかった。
東京開催の中止や代替競馬に伴い、美浦トレセンでは、変則的な日程になっているが、こちら栗東は普段と変わりなく、17日が全休日、今週レースを予定している馬は、19日に最終追い切りを行うというスケジュールで動いている。
【坂路/4F51.9秒】
19日。一番時計はサトノスパークル(栗東・安田隆行厩舎)の4F50.0秒。キャリア1戦の3歳未勝利馬がこれだけの時計をマークできるのだから、決して馬場が重いということはない。ただ、同馬は新馬戦で単勝1.7倍の支持を受けた素質馬だけに、速い時計を出せる資質があったことは間違いない。
二番時計をマークしたのは、フェブラリーSに出走を予定しているエーシントップ(栗東・西園正都厩舎)。最初の1F目を13.6秒で入り、徐々にペースを上げて、ラストも1F12.6秒でまとめた、4F51.0秒。このラップの踏み方は霜月Sを勝った時に似ており、体調面に関しては、全く問題ない。
今週はG1ホースの併せ馬の相手を務めた馬の動きが目立っており、ホッコータルマエ(栗東・西浦勝一厩舎)の相手だったスプリングシーズン、中山記念(3月2日・中山芝1800m)の出走を予定しているジャスタウェイ(栗東・須貝尚介厩舎)の相手だったオツウなどは、前走成績から人気することは承知の上で、ここに取り上げておきたい。
先週の馬場差が「±0.0秒」。先週と同じ内容を書くことになるが、今週も時計は標準的に出る状態。よって、馬場差は先週と同じ『±0.0秒』で、19日、20日とも観測している。
【CW/5F66.5秒】
調教の騎乗者からは「チップの状態が悪い」という感想を聞くが、実際に追い切り時計を見ると、決して時計の掛かる馬場状態ではない。馬場の幅員が広いので、通る場所によっては、脚をとられてしまう箇所もあるかも知れない。
19日に単走で追い切られたのが、中山記念の出走を予定しているトウケイヘイロー。いつも通り、黒岩悠騎手(レースでの騎手は未定)が跨って、6F83.2〜5F68.0〜4F52.9〜3F38.7〜1F12.5秒。速い時計ではないが、この馬らしい、スムーズなフットワークが印象的だった。
先週の馬場差は「-1.0秒」。今週も一番時計は、5F62秒台が出ており、走りやすい状態に変わりなし。19日、20日とも『-1.0秒』で観測している。
【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
先週も記したことだが、芝馬場は、茶褐色になった馬場状態は決して良くないので、あまり時計が出る状態ではない。本来なら、時計の掛かる馬場差をつけるところだが、追い切り頭数が少ないので、19日、20日とも『±0.0秒』としている。
ポリトラック馬場は相変わらず、走りやすい状態。阪急杯(3月2日・阪神芝1400m)の出走を予定している、サンレイレーザー(栗東・高橋義忠厩舎)が、和田竜二騎手が跨って、6F76.7〜5F62.6〜1F11.4秒と、この馬らしい速い時計をマークしている。なお、馬場差は19日、20日とも『-1.0秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)