ゴール前の大接戦を制したマーティンボロ(手前)=中京競馬場
激戦を制して、初タイトルをつかんだ。「第50回中日新聞杯・GIII」(芝2000m)は15日、中京11Rに18頭で争われ、重賞初挑戦の10番人気マーティンボロ(栗東・友道)が2分1秒7のタイムでV。道中は中団後方を追走し、直線で力強く脚を伸ばした。手綱を取ったバルジューは03年フェアリーS(マルターズヒート)以来となるJRA重賞4勝目。鼻差の2着は3番人気のラキシス、4番人気ラブリーデイがさらに首差の3着。なお、1番人気アンコイルドは馬群をさばくのに手間取って7着だった。
亡き兄が眠る中京で、重賞初Vを決めた。友道師は感激で身を震わせた。「この血統で勝てたということが、いつも以上にうれしい。担当の田代助手は兄もやっていましたから」と、しみじみと喜びをかみしめる。全兄フレールジャックは、昨年7月の中京記念で故障を発症して、予後不良に。「元気が良すぎてあんなことになってしまった。本当にショックでした」。それだけに同じ中京で、兄にささげる勝利を飾ったことが、喜びを倍増させた。
騎乗したバルジューも、歓喜の表情。「すごいコンディションが良かった。レース中もリラックスしていたし、いい結果が出せました。久々に重賞を勝てたし、グレートデーだね」と満足そうにうなずいた。
次走は未定ながら「宝塚記念(6月29日・阪神、芝2200m)を目標にしたい」と指揮官。まだ5歳、さらに8月という遅生まれだけに、今後の伸びしろは大きい。「去年の秋からずいぶん成長してくれている。これからまだ良くなると思うから」。兄の夢も乗せながら、さらなる高みを目指していく。
提供:デイリースポーツ