アトムなど今週の主要調教馬場の時計/栗東トレセンニュース

2014年05月01日 19:00

実戦は昨年12月の朝日杯FS(5着)以来となるアトム(撮影:井内利彰)

 今週は28日から雨。29日も降ったり止んだりの天気だったが、30日にかけて、かなりの雨量。30日の調教開始時刻には、一旦、雨の止む時間帯もあったが、だらだらと長く降り続ける雨だった。

 その影響で、ウッドチップ馬場は悪化。久しぶりの坂路馬場の時計は遅くなっている。また、Cコースも雨の影響を多分に受けている。よって、雨の影響が少ない、Dコースの芝馬場やポリトラック馬場を代わりの追い切り場所に選択する厩舎もあった。

【坂路/4F51.9秒】
 30日。一番時計は4F51.5秒のフレージャパン(栗東・森秀行厩舎)。ラスト1Fが13.3秒で区間ラップの最遅時計。要するに、テンから飛ばしていくと、最後は馬場に脚をとられて止まってしまう、そんな馬場ということだろう。

 このような重い馬場でも、最後まで止まらずに速い時計を出せる馬はパワーがあるため「ダート」向きという可能性がある。実際、前走をダート1200mで3歳500万下を勝ち上がっているセトアロー(栗東・森秀行厩舎)が、2F24.9〜1F12.5秒の好時計をマークしている。同厩舎のセセリは、2F24.8〜1F12.4秒の好時計。こちらもダート戦が予定されているようなので、馬券的にも注目すべきだろう。

 先週の馬場差は「+0.1秒」。冒頭から記しているように、今週は雨の影響が大。よって、馬場差は30日、1日とも『+1.4秒』で観測している。

【CW/5F66.5秒】
 前日のトレセンニュースで、天皇賞(春)の最終追い切りで、キズナ(栗東・佐々木晶三厩舎)やウインバリアシオン(栗東・松永昌博厩舎)の内容はお伝えした通り。これらの馬はそれなりに速い時計が出ているものの、未勝利レベルになると、時計が掛かるというのが、30日の馬場状態だった。

 しかし、1日になると、非常に走りやすい馬場状態。調教開始直後から、好時計が連発するような馬場だった。そんな中で追い切ったのが、NHKマイルC(5月11日・東京芝1600m)に出走を予定しているアトム(栗東・池江泰寿厩舎)。前走若駒Sは出走取消で、実戦は昨年12月の朝日杯FS(5着)以来となる。

 帰厩して日が浅いこともあり、追い切り本数はまだまだ少ない。しかし、馬自身は非常に前向きな感じ。今朝は川田将雅騎手が跨って、3頭併せの最後方。6F標識地点では、先頭ラルシュドールとの差が3秒近くあった。4コーナーで最内に進路をとり、直線ではあっという間に前に追いついた。そのまま、2頭を抜き去って、最後は楽に先着すると思われたが、真ん中にいたリグヴェーダが追われて伸びて、アトムを差し返した。

 リヤンドファミユは昨年引退したオルフェーヴルの全弟。前走但馬Sを勝って、どうやら本格化してきた。それもあり、動きが目立ったのは、完全にリヤンドファミユ。アトムは久しぶりの実戦に加えて、現在の状態に疑問が残る1週前追い切りだった。

 先週の馬場差は「-0.8秒」。30日は間違いなく雨の影響を受けており、馬場差は『-0.6秒』。ただ、1日に関しては、かなり先々週に近い印象を受けたので、『-1.0秒』で観測している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
 久しぶりに芝馬場が盛況。とはいっても、20頭前後の追い切り頭数だったが、脚色はあまり良く見えなかった。かなり水分を含んだ、走りにくい状況だったのかも知れない。馬場差は30日、1日とも『+0.5秒』としている。

 ポリトラック馬場で素晴らしい動きを見せたのが、天皇賞(春)に出走予定のデスペラード(栗東・安達昭夫厩舎)。とにかく弾むようなフットワークが印象的。時計も速かったが、それ以上に機敏な動きが張りのある馬体が目立っていた。馬場差に関しては、先週と同様の『-1.0秒』で、30日、1日とも観測している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)

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