栗東CWで追われたメイショウマンボ(左)が上昇をアピール
GI3勝という立派な戦績を収めてきたとはいえ、何かの拍子で精神的にパニック状態に陥りかねない-。メイショウマンボはそんな繊細な気性の持ち主だ。ところがこの日はどうだ。栗東CWで鞍上・今村助手の指示に従順そのものという姿勢を示す。
先行するメイショウキラリ(5歳1000万下)の内に入った4角からがアスリートとしての真骨頂。目いっぱいに伸ばした体が推進力を生む。左手前に切り替えるとさらに加速し、6F85秒0-38秒7-11秒7のタイムでゴール板を貫いた。
昨秋以降、直前追い切りには常に武幸がまたがってきた。だが今回、助手に手綱を任せたのは過度に気合を乗せず、なおかつこの日のような従順さを引き出したかったからだ。
飯田祐師が説明する。「ジョッキーから“自分が乗らない方が落ち着いて走るのではないか”と進言があり、自分も同意見だった。ジョッキーが乗ると馬も(レースが近いことを)覚えているし、精神的に高ぶってしまう」。提案した主戦は、トレーナーと並んで調教監視場から相棒の動きを見届けると納得の表情を浮かべつつ「自信を持って乗りたいですね」とうなずいた。
キズナから2秒2差の7着に敗れた今季始動戦の大阪杯に「いい状態に持っていけなかった」と責任を一身に背負った39歳のトレーナーだが、当時は5か月ぶりの実戦。今回は牝馬同士の一戦で、舞台も阪神の内回りから直線の長い東京へ変わる。取り巻く状況は明らかに好転している。
「けさもよく走ってくれました。いつも休み明けより(実戦を使って)良くなる馬。いろいろなことが良くなっていると思います」と師は力を込める。工夫を凝らして仕上げられた昨年の最優秀3歳牝馬が、牝馬GI4連勝を成し遂げる。
提供:デイリースポーツ