圧巻のデビュー戦から中3週。当初は放牧予定だったサトノフラムが、軌道修正。新設重賞へ舵を切った。「楽に勝てたので挑戦することに。競馬を使った後でも、いい意味で雰囲気は変わらないですね」。安田師は状態の良さを確認し、東上を決意した。
注目の最終リハ。ここでも、直前でメニューを変更した。当初は栗東坂路で追う予定だったが、現時点では若干太め。シェイプアップには強めの調教が必要になるが、かといって初の長距離輸送を考慮すれば、ハードに攻めることも難しい。熟考の末、陣営はソフトかつ長めに距離を乗れるCWを選択。5Fからの併せ馬を施した。
先行するイスキューロス(2歳新馬)を追走し、4角で射程圏内へ。ラスト1Fでとらえると、馬なりの手応えで一気に突き放し1秒先着した。5F68秒8-39秒0-11秒6に、指揮官は「いい動き。ほどほどに余裕を残して、はじけていましたね。7日の計量で鞍を置いて484キロ。輸送して470キロ前後になると思う」と理想的な内容に納得の表情を浮かべた。
短距離とダート戦に良績を残す安田厩舎に現れた待望のクラシック候補。「GIを意識できるだけの可能性がある馬。何とか結果を出したいですね」。視線の先には朝日杯FS(12月21日・阪神、芝1600m)を見据えている。無傷の2連勝を飾り、王道を突き進む。