後続を突き放して2歳女王に輝いたメジャーエンブレム(左)=阪神競馬場
栗毛の馬体が視線を独り占めした。「第67回阪神JF・GI」(芝1600m)は13日、阪神11Rに18頭で争われ、1番人気の
メジャーエンブレム(美浦・田村)が、見事に2歳女王の座を射止めた。抜群のスタートを切って道中は3番手のインを追走。4コーナーで先頭をうかがい、直線はラチ沿いをグングンと伸びる一方。あっという間に後続を突き放し、2馬身差をつける完勝劇を演じた。勝ちタイムは1分34秒5。2着は10番人気の
ウインファビラス、さらに1馬身1/4差の3着は3番人気の
ブランボヌールが入った。
「ごっつぁんです!」。ルメールが喜びを爆発させる。1枠(2)番から
ロケットスタートを決めたが、3角までは
キリシマオジョウに絡まれた。「でも彼女は乗りやすい。小牧さんの馬が来て、少し行きたがったけど、その後は
リラックス。長くいい脚を使った」。テン良し、しまい良しのレースぶりで他馬に付け入る隙を与えなかった。
厩舎は自信を胸に挑んだ一戦。「この馬はGIを取れる。そう信じていた。証明できたことがうれしい」と語る田村師は、開業18年目でようやく手にした
ビッグタイトルだ。
次なる目標は牝馬クラシック制覇。「さらに切れる脚があるはず。磨きをかけたい」と指揮官は決意を新たにした。「祖父(仁三郎氏)が第1回桜花賞(39年=ソール
レデイ)を勝っているんです」。桜咲き誇る来年の仁川にも、大きな夢が待っている。