活気あふれる動きを見せたガイアフォースは上積み十分(カメラ・高橋 由二)
◆第42回マイルCS・G1(11月23日、京都競馬場・芝1600メートル)追い切り=11月19日、栗東トレセン
トップマイラーがそろうマイルCS。水納愛美記者が担当する「考察」追い切り編は、1989年オグリキャップ以来の芦毛Vを目指す
ガイアフォースに注目した。
春のマイル王
ジャンタルマンタルや、この日の坂路で一番時計だった
ラヴァンダはさすがだったが、目を引いたのは
ガイアフォース(牡6歳、栗東・杉山晴紀厩舎、父
キタサンブラック)だ。栗東・坂路で単走。体を大きく使って駆け上がり、地面を蹴る力も強い。芦毛の馬体が、まさに弾んでいた。先週は51秒6―11秒7の猛時計で、併せ馬で負荷もしっかりかけているため、今週は55秒0―12秒4と控えめ。しかし、もっと時計が速くてもおかしくない、と思うほどの推進力だった。
杉山晴調教師は「全体時計はあまり求めず、しまいだけ軽く。走る気を少し解放するという程度で収めました」と意図を説明。富士Sの最終追いより切れが増した印象を受けたが、やはり4か月半ぶりを使った上積みがあるのだろう。「状態は前走以上だと思っています」と断言していた。
前走は何より、
ジャンタルマンタルに完勝したことの価値が高い。22年セントライト記念以来3年以上勝ち星から遠ざかっていたが、実力健在を証明した。指揮官からは「千載一遇のチャンスというと大げさかもしれないんですけど、
ビッグタイトルを取らせてあげられるように」という自信が伝わる言葉も飛び出した。この仕上がりの良さなら、6歳秋でのG1初制覇があっても驚けない。(水納 愛美)