「デイリー盃ロジータ記念・S1」(19日、川崎)
最後の牝馬1冠は好位から伸びた2番人気の
ドナギニーが快勝。重賞初制覇を果たした。2着に逃げた1番人気の
エスカティア、外から懸命に追い込んだ4番人気の
ウィルシャインが3着に入った。1着馬には「第19回東京シンデレラマイル・S3」(12月30日・大井)、また1、2着馬には「デイリー盃第72回クイーン賞・Jpn3」(26年2月11日・船橋)への優先出走権が与えられた。
南関東3歳牝馬3冠の最終章。どうしても欲しかった重賞タイトル。善戦レディーの
ドナギニーが大一番でもぎ取った。
デビュー2連勝後は4度の重賞挑戦も5、8、3、5着と善戦止まり。春の2冠目・東京プリンセス賞3着。牡馬に混じっての黒潮盃でも5着と力のあることは証明していたが運にも恵まれなかった。
前走後の放牧リフレッシュも功を奏したか、笹川翼との初コンビで臨んだ今回、陣営の予想以上の走りを見せた。いつもは後方からの競馬が多かったが、スッと好位に取り付くと、道中は前を行く2頭を射程圏に入れながら内々でじっくりと末脚を温存。4角手前からエンジンを噴かしていく。直線は逃げる2着馬の外へ持ち出し、右ステッキで鼓舞。それに応えてグイッとひと伸び。ゴール手前で半馬身かわした瞬間、鞍上の右手が高々と挙がった。
「何度か追い切りにも乗せてもらっていて成長は感じていました。枠も良かったし、自信はありました。結果が伴ってくれて良かった」と笑顔の笹川翼はJBCス
プリント、ハイセイコー記念に続く3週連続重賞V。今年11勝目はキャリアハイを更新中だ。
中道啓師にとっては20年5月の、のじぎく賞(園田)以来重賞3勝目。南関東では16年東京ダービー以来、久々の重賞タイトルに「直線は“もう、行けー”って感じでした。最高の騎乗をしてくれました」と喜びを全開させた。この日は20キロ増でキャリアハイの487キロだったが、「これまで体質が弱くて減り加減だったのが、ようやく中身がしっかりしてきた感じですね。一番いい状態でレースができました」と愛馬の成長ぶりにしてやったりと目を細めた。
晴れて重賞ウイナーの仲間入り。この後はいったん放牧へ。「やっと芯が入ってきました。まだ1段、2段上がりそうだし、強くなると思います。名前を覚えてもらって、応援してほしいですね」と笑顔は弾けっぱなしだった。