明日から4月だが、今週の栗東はまだまだ朝の冷え込みが厳しい。ただ、調教開始の7時以降は日差しが強く、気温は15℃近くまで上昇し、体感温度でも上着が必要ないくらい。週間天気予報などを見ても、これからは暖かくなる一方なので、来週には栗東の桜も見ごろになるのではないだろうか。

　雨が降っていないこともあって、ウッドチップ馬場は時計の出やすい状態が続いている。気温が上昇している分、過去には太目で動けなかったような馬が動きやすい状態。自己ベストを更新するような時計で動いてくれば、狙ってみたいところ。

【坂路/4F51.9秒】
　30日。一番時計はジュンファイトクン(栗東・森秀行厩舎)の4F49.6秒。1F目から12.5秒のラップで入り、その後もずっと12秒台を継続しての数字。よほどスピードが持続しやすい馬場なのだろう。ちなみに4F49秒台はこの馬を含めて6頭。4F50秒台に関しても、かなりの頭数がマークしており、確実に先週よりも走りやすく、時計が出る馬場になっている。

　こうなると時計だけで好不調を判断するのは難しいのだが、先週の高松宮記念で1F11.6秒をマークしたアクティブミノル(栗東・北出成人厩舎)が16番人気4着だったことを思えば、ラスト1Fの数字は気にしたいところ。

　今週、11.6秒をマークしたのはテイエムダグラス(栗東・福島信晴厩舎)。ここまで3戦して5着が最高の3歳未勝利だが、ラスト1Fでこれだけ動けるようになったのは今回が初めて。これは注目に値するのではないだろうか。

　31日。全体的に速い時計が少ない印象だが、それは追い切り頭数が前日に比べると少ないため。1頭1頭の時計の出方を見ていると、馬場状態に関しては変わりない。その中で動きが目立ったのは、前走9ヶ月ぶりのレースを快勝したエイシンスパルタン(栗東・藤岡健一厩舎)。

　もともと追い切りは動く方だが、4F52.1〜3F37.9〜2F24.4〜1F12.1秒は全体的な時計、ラップのバランスともに文句ない。次走は春雷S(4月10日・中山芝1200m)を予定しているが、ここで結果が出るようなら「第二のビッグアーサー」を目指せるはず。

　先週の馬場差が「-0.9秒」。今週は全体的な時計の出方を見ると、先週よりは時計が出やすい馬場状態。よって30日、31日とも『-1.1秒』の馬場差で記録している。

【CW/5F66.5秒】
　30日。前日のトレセンニュースでお伝えしたミッキークイーン(栗東・池江泰寿厩舎)などが追い切られているが、重賞出走予定馬も極端に速い時計をマークしているわけではなく、時計を見渡すと数字は落ち着いている。ただし、遅い時計が少ないあたりを見るとある程度走りやすい馬場であることは間違いない。

　31日。朝一番、開門直後に追い切ったのは、阪神牝馬S(4月9日・阪神芝1600m)の出走を予定しているストレイトガール(栗東・藤原英昭厩舎)。岡田祥嗣騎手が跨って、ロードスターを追走する内容だったが、前半がかなり遅く、全体時計も遅くなった。その分というわけではないのだろうが、先行していたロードスターが余力十分で、最後まで追い抜くことができなかった。6F88.9〜5F71.7〜4F54.8〜3F38.8〜1F11.5秒と、終いの数字が出ているのだが、昨年ヴィクトリアMを勝った時の1週前追い切りでは併せ馬できっちり先着していただけに気になるところ。

　先週の馬場差が「-0.7秒」。本文にも記したように、極端に速い時計を出した馬はいなかったものの、時計の出方自体は先週と変わらないため、馬場差は、30日、31日とも『-0.6秒』で記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　今週の芝馬場は30日、31日とも追い切りを確認することはできなかった。馬場差に関しては、天候や見た目を考慮して『±0.0秒』で記録している。

　ポリトラック馬場の追い切り頭数はかなり少なくなった。追い切られている馬も3歳未勝利が多く、意識的に時計を出したい馬が多いように思う。馬場差は、30日、31日とも『-1.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・写真：井内利彰)

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