「共同通信杯・Ｇ３」（１２日、東京）

　栗東ＣＷの３〜４角。８日の追い切りに登場したスワーヴリチャードは、ギアをトップに入れ、前を追う姿勢を明確にした。先行していた２頭との差は、この時点で５馬身以上。追いつくのは難しい。そんなスタンドの視線を瞬時に覆す。馬なりのまま外から体を併せると、楽な手応えで僚馬をパスしてみせた。

　６Ｆ８５秒２-３７秒７-１１秒６を計時してメイショウキリマ（３歳未勝利）に１馬身の先着。圧巻の加速力は、排気量の違いを感じさせる。「前半は前に馬を置いて折り合い重視で。直線で外に出しておしまいを伸ばしました。ギアチェンジが速かったですし、精神的にも成長したことで、折り合い面での進展もあります」。メンバー最速の上がりを記録しながら首差２着に終わった東スポ杯２歳Ｓから３カ月。動きを見届けた庄野師は、納得の表情で現状を伝えた。

　筋肉量が増えて体にメリハリもついてきたという。極上の瞬発力に力感も加わった。「爆発力がありますからね。競馬に行ってそれをどこまで持続できるか」。指揮官はトップスピードの維持が課題としながらも大きな期待を寄せる。まずは西のエースにここで就任。タイトルをつかんでクラシックロードを力強く歩む。