イブキの半弟、テンクウが兄同様デビュー勝ちを狙う(撮影:竹之内元)
今週から函館開催がスタートし、東京や阪神でもダートのメイクデビューが始まる。初戦から動けそうな馬が集まり、今週も混戦模様だ。
◆テンクウ(牡、父ヨハネスブルグ、母ピサノドヌーヴ、美浦・奥村武厩舎)
母はダートで2勝。1歳上の異父兄イブキ(父ルーラーシップ)は6月にデビュー勝ちを飾り、続く2戦目の新潟2歳Sで3着に好走するなど早い時期から活躍している。入厩当初から兄と同様、6月の東京デビューを目標にしてきた。先週の6月7日にはウッドチップコースで5F68秒台をマーク。前を行く2頭の後ろから追走して併入と上々の動きを見せた。
「父がヨハネスブルグに替わり、イブキとはタイプが違う。こちらは走法的にも前向きな気性的にもスピードタイプ。距離は1600mまでなら大丈夫でしょう」と奥村武調教師。6月18日、東京の芝1600mを田辺裕信騎手で予定している。
◆ミュージアムヒル(牝、父ハーツクライ、母ロレットチャペル、美浦・古賀慎明厩舎)
母の産駒はデビューした5頭中4頭が勝ち上がっており、現5歳の異父兄アルター(父ネオユニヴァース)がオープンクラスで活躍中だ。伯父にキングストレイル(セントライト記念、京成杯AH)、叔母にサンタフェソレイユ(フェアリーS2着)がいる。
先週の6月7日にはウッドチップコースで5F67秒台をマーク。2頭の古馬を追走して併入と時計的にも水準以上の動きを見せた。「入厩前から牧場でも順調に乗り込んできた。牝馬のぶん、そんなに大きくはないわりに馬格はしっかりとしている」と古賀慎明調教師。6月18日、東京の芝1600mを北村宏司騎手で予定している。
◆ムスコローソ(牡、父ヘニーヒューズ、母ルナレガーロ、美浦・手塚貴久厩舎)
昨年のセレクトセール1歳セッションに上場され、取引価格は4536万円(税込)。伯母にエガオヲミセテ、伯父にオレハマッテルゼやフラアンジェリコなど近親には多くの活躍馬が並ぶ。先週の6月7日にはウッドチップコースで6Fから時計を出し、古馬を相手に先着と長めから負荷を掛けた。
「デビュー前としては十分に動けている。同じ父のアジアエクスプレスをイメージして買ってもらった馬だし、スピードとパワーの両方を兼ね備えているタイプ。ダートは勿論、この母系なら芝でも走れそう。初戦から楽しみ」と手塚貴久調教師。6月17日、東京のダート1400mを戸崎圭太騎手で予定している。
◆マリームーン(牝、父カジノドライヴ、母クラウンアスリート、美浦・藤沢和雄厩舎)
2010年の共同通信杯を制したハンソデバンド(父マンハッタンカフェ)の異父妹。それほど目立つ時計は出していないが、藤沢厩舎らしく、じっくりと本数を乗り込んできた。「早くに入厩させたぐらいだし、しっかりとしている。いいフットワークで走るし、気持ちが前向きで仕上がりも良さそう」と藤沢和雄調教師。6月18日、函館の芝1200mを武豊騎手で予定している。
(取材・写真:竹之内元)