レースでも騎乗予定の武豊騎手を背にしっかりとした動きを見せたシャンデリアスピン(写真左・撮影:井内利彰)
今週は3日開催で阪神競馬場で行われる新馬戦は4レース。昨年より1レース少なくなっているが、なんといっても昨年の衝撃レースは芝1600m(牝)でデビュー勝ちを決めたミスエルテ(栗東・池江泰寿厩舎)だろう。
残り200m地点でジョッキーがリズムに合わせて手綱を動かした程度で他馬を突き放して圧勝。続くファンタジーSも強烈な追い込みを決めて重賞制覇となった。後に重賞を制するか否かは別として、今年も牝馬限定戦はなかなかのメンバーとなりそうだ。
【9月16日(土) 阪神芝1400m】
◆ワールドビーター(牡、父ジャングルポケット、母エアラグーン、栗東・角田晃一厩舎)
毎日王冠、鳴尾記念など芝で10勝を挙げたエアソミュールが兄にいる血統。父は同じジャングルポケットなので、本馬に関しても距離の長いところをイメージしてしまうが「こちらは体型的に短い距離が良さそうだし、ジョッキーも短いところがいいと言っていました」と角田晃一調教師。
ジョッキーとは、9月6日のCW追い切りに騎乗し、レースでも騎乗予定の武豊騎手。武騎手はエアソミュールで3勝を挙げており、兄の背中を知っているだけにコメントに重みがある。母系には今年の京都金杯を勝ったエアスピネル(父キングカメハメハ)がいる血統でもあり、スピードを武器にマイル以下の距離が主戦場となりそうだ。
【9月17日(日) 阪神芝1800m】
◆シャンデリアスピン(牝、父ノヴェリスト、母ダンスインザムード、栗東・松永幹夫厩舎)
母は2004年桜花賞を制したダンスインザムード。半姉には2011年フェアリーSを制したダンスファンタジア(父ファルブラヴ)がいる血統。5月には栗東へ入厩し、ゲート試験にも合格。具体的なデビュー戦も決めて追い切りが進められていたが、その動きが物足りないということで、一旦放牧に出された。
8月23日に栗東へ再入厩する形となったが「デビューすれば注目を集める血統ですからね。これなら、と思える状態でデビューさせたかったので、一旦放牧に出しましたが、良くなって帰ってきてくれました」と松永幹夫調教師。9月6日のCW追い切りにはレースでも騎乗予定の武豊騎手が騎乗。時計は6F84.0秒、1F12.5秒と水準程度だったが、その動きはしっかりしていた。9月8日にはゲート練習を行ったが、その出は速く、あの動きが実戦でもできれば、レースの主導権を握るような存在になるかも知れない。
【9月18日(祝・月) 阪神芝1600m(牝)】
◆リバティハイツ(牝、父キングカメハメハ、母ドバウィハイツ、栗東・高野友和厩舎)
おじに仏2000ギニー、フォレ賞を勝ったMake Believe(父Makfi)がいる血統。半姉ディヴァインハイツ(父ハーツクライ)は阪神芝1600mの新馬戦を勝っている。
6月15日のゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、8月25日に栗東へ再入厩。栗東坂路での追い切りは4F57秒から58秒程度と遅い数字が並んでいる点は少し気になるが、高野友和厩舎はあまり速い時計を出さない傾向があるのも事実。最終追い切りには、レースでも騎乗予定の福永祐一騎手が跨る予定なので、そこでどのくらい動いてくるか注目したい。
【9月18日(祝・月) 阪神ダート1800m】
◆イグレット(牡、父Distorted Humor、母ヘヴンリーロマンス、栗東・松永幹夫厩舎)
半兄アウォーディー(父ジャングルポケット)は2016年JBCクラシックなどダートで6勝(芝4勝)を挙げており、半姉アムールブリエ(父Smart Strike)は2016年エンプレス杯などダートで10勝。どちらも松永幹夫厩舎で管理されている、厩舎ゆかりの血統。
本馬について「やっぱりダートがいいと思いますね。全姉にキエレがいますが、タイプが違います。こちらの方がしっかりしていますね」と松永幹夫調教師。9月6日のCWではシャンデリアスピンに遅れてしまったが、全体的な調教量はしっかりしており、中身は出来ているはず。あとは実戦に行って、どのくらい走ってくれるか。鞍上は武豊騎手が予定されている。
(取材・写真:井内利彰)