先週末は各地で台風の影響を受けているが、栗東トレセンに関しては大雨があったものの、なにかしらの被害があったということは聞いていない。当然、ウッドチップ馬場はたっぷりと水分を含んでいる状態なので、時計を要する状態であることは確か。

　ただ、26日は朝から好天で、この日はある程度走りやすい状態だったと推測できる。明日も晴れるようなので、次第にウッドチップは回復するだろうが、また週末に雨の予報があるだけに、さすがにここまで雨の影響を受けると、そろそろチップの状態が気になる。

【坂路/4F51.9秒】
　25日。一番時計はアクティブミノル(栗東・北出成人厩舎)の4F50.1秒。極端に時計を要する馬場でないことはこの数字からも推測できるが、4F50秒台はこの馬以外にマテラスカイ(栗東・森秀行厩舎)の4F50.6秒がいるだけ。4F51秒台の頭数も少なく、やはり雨の影響は大きかったと思う。

　そんな馬場の影響も受けたのかなという動きだったのは、京王杯2歳S(11月4日・東京芝1400m)の出走を予定しているアサクサゲンキ(栗東・音無秀孝厩舎)。小倉2歳Sを制しており、武豊騎手が騎乗ということなら人気に推されるだろうが、1F目14.1秒、2F目12.7秒、3F目12.4秒とぐんぐん加速していったこともあり、4F目が13.3秒で止まった。4F51.5秒の自己ベストをマークした時でも4F目は12.9秒だったので、それを考えるとこの失速は物足りない。

　26日。一番時計は2歳新馬のアプルーヴァル(栗東・音無秀孝厩舎)で4F50.9秒。これはかなり速い数字といってよいだろう。ただ全体的な追い切り頭数が少なくなっていることを考えると、4F51秒台の頭数は少なくない。

　先週の馬場差は19日は雨の影響で「+1.0秒」。25日は追い切り時間の雨が小康状態だったことを思えば、19日よりは時計が出る状態。よって、馬場差は『+0.4秒』で記録。26日に関しては、そこから回復していると思われるので、馬場差は『+0.1秒』で記録している。

【CW/5F66.5秒】
　25日。調教中に雨が降って影響を与えるということはなかったものの、すでにたっぷりと水分を含んでいるウッドチップで時計は出にくい状態。ただ、1回目のハロー、2回目のハローと時間経過とともに、ウッドチップは回復傾向にあったといってよい。

　まだ25日としては時計が出やすい時間帯、2回目のハローが終了した時間帯に追い切ったドラグーンシチー(栗東・北出成人厩舎)。和田竜二騎手が騎乗して、初めてのCコースでの追い切りだったが、古馬を追走して、最後は突き放す動き。5Fからラップを速めていって、5F64.9秒という時計が非常に優秀。11月3日(祝・金)の京都芝1600mでデビュー予定だが、また1頭、有力なロードカナロア産駒が現れたといった感じ。

　26日。前日に比べると、朝一番からそれなりに時計の出る馬場状態。ある程度のペースで飛ばしても、最後まで止まらないし、道中で少し緩めば、最後の1Fは11秒が出ても当然といった馬場。

　この日の追い切りで取り上げたのは、みやこS(11月5日・京都ダート1800m)の1週前追い切りを行ったサルサディオーネ(栗東・羽月友彦厩舎)。牝馬ではあるが、豪快なフットワークでスピード感十分の走り。時計は6F82.3秒、1F12.3秒と全体も終いも優秀。前走14着大敗は大井競馬場までの輸送やナイター競馬などいろんな理由がある。輸送時間の短い京都ダート1800mなら一変があっても不思議ない。なお鞍上は丸山元気騎手が予定されている。

　先週の19日の馬場差は「+1.0秒」。こちらも坂路同様、19日ほどは走りにくい状態ではない。ただ基準時計から見れば、全体的に時計を要しているので、25日の馬場差は『+0.2秒』で記録。26日に関しては、前日との比較でもかなり走りやすくなっているので『-0.3秒』で記録している。

【DP/5F64.5秒・D芝/5F63.0秒】
　今週の芝馬場は先週から傷んでいる状態が回復する間もなく、雨が降ってしまったので、また芝の塊が飛ぶような馬場。これが25日の朝一番からだったので、25日の調教時間後半はかなり悪い状態。馬場差に関しては、25日も26日もほぼ同じと考えてよさそうなので『+1.5秒』で記録している。

　先週までは少なかったポリトラック馬場の追い切り。しかし、さすがに今週は一気に頭数が増えた。しかし、馬場状態としてはこれまでとほとんど変わらず、馬場差は25日、26日とも『-1.0秒』で記録している。

※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。

(取材・写真：井内利彰)