今週は京都ダート1800mのメイクデビューを取り上げているが、これから先はダート中距離の番組も増えてくる。それとともに年明けあたりに3歳500万下のダート1600mやダート1800mといった番組も増えるが、オープン競走となれば一気にレース数が少なくなる。

　3連勝で北海道2歳優駿を制したドンフォルティス(栗東・牧浦充徳厩舎)やプラタナス賞をレコード勝ちしたルヴァンスレーヴ(美浦・萩原清厩舎)など、ダートを主戦場とするスター候補も多い。そう思うと、芝ではなくダートの2歳重賞を新設することが有意義ではないだろうか。

【11月12日(日)　京都芝1800m】

◆ポートフィリップ(牡、父ハーツクライ、母アドマイヤテレサ、栗東・梅田智之厩舎)

　全兄に2013年ダイヤモンドSを勝ち、2014年には海外G1コーフィールドCを優勝したアドマイヤラクティがいる血統。本馬は9月6日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩しているが、筆者が注目したのは10月12日のCWコースでの追い切り。

　相手も新馬の追い切りだったが、ほぼ持ったままの手応えで6Fを回ってきて、時計は82.0秒。ハローが終了した時計の出やすい馬場状態ではあったが、これが初めての本格的な追い切りだったことを考えれば、素晴らしく速い内容。その後の追い切りではこの時ほどのインパクトはないが、11月1日のCWでは古馬1600万下と同入。ここまでの過程から、少しムラなところがある印象だが、本気で走れば新馬は楽勝レベル。あとはレースでどんな走りを見せてくれるか。鞍上は岩田康誠騎手を予定している。

【11月12日(日)　京都芝1600m(牝)】

◆ミッドサマーコモン(牝、父ディープインパクト、母ストロベリーフェア、栗東・野中賢二厩舎)

　半姉に2012年フローラSを勝ったミッドサマーフェア(父タニノギムレット)、先々週の東京芝1400mで500万下を勝ち上がったフラガリア(父タニノギムレット)などがいる血統。本馬については「現状では課題も多い馬ですが、将来性は豊かで、素質はかなりのものを持っていると思います」と野中賢二調教師。

　しかし追い切りではやるたびにその動きが良くなっている感じ。これに関しては「心臓は抜群だけど、体はまだまだ。性能だけで走っている感じかな」と同師。11月1日にレースで騎乗予定の浜中俊騎手が跨って、CWコースでの併せ馬。2歳未勝利を2馬身追走して、ゴールでは2馬身の先着。芝馬場で追い切って動かなかった当時と比べると別馬と思えるくらい。現状でどの程度の走りができるのか、注目の一戦となりそう。

【11月11日(土)　京都芝1400m】

◆ユイフェンネル(牡、父ルーラーシップ、母ローズシティ、栗東・松永幹夫厩舎)

　母系はロサード、ローズキングダム、ローゼンクロイツなど「バラ一族」という血統で、父は菊花賞で産駒が初G1を制したルーラーシップ。入厩当初は「使ってからのタイプかな」という松永幹夫調教師だったが、追い切りを重ねるごとに「徐々に良くなっています」と評価も上がっている。

　11月1日のCWコースでは2歳新馬との併せ馬で先行。テンから速いラップを刻んだ分、最後の直線は止まるかと思いきや、そのままのスピードを持続。追いかけてきた相手は完全に止まったことを思えば、やはりこちらが相当走っていると見てよい。もちろん数字的にも6F81.6秒は速い。ここまで十分に乗り込んできているし、ここは初戦から注目。鞍上は武豊騎手が予定されている。

【11月11日(土)　京都ダート1800m】

◆バクハツ(牡、父スマートファルコン、母ファニーストーリー、栗東・小崎憲厩舎)

　母系にブリーダーズGCなどダート交流重賞を5勝したシビルウォー(父ウォーエンブレム)がいる血統。本馬は2016年セレクトセール1歳にて、3300万円で落札されている。

　筆者の初見は11月2日。レースでも騎乗予定の武豊騎手が跨って、CWコースで3頭併せ。先頭を走ったのはマカハで、それを2歳新馬2頭が追いかける形だったが、最後の追い比べではきっちりマカハに先着。時計は6F82.9秒、1F12.2秒と全体が速い上に終いもしっかりしている。父がスマートファルコンなので、ダートでは相当活躍できる素材だと思うが、スピードの絶対値がダート新馬ではトップレベルという感じがする。