坂井瑠星騎手を「あたりが柔らかいですね」と評価した田中一巧調教師(撮影:大恵陽子)
ヤングジョッキーズシリーズ(以下、YJS)トライアルラウンドを終えて、また一人の若者がオーストラリアへ修行に出る。
すでに報道の通り今月16日より約半年の予定でオーストラリアに渡る坂井瑠星騎手。15日、園田競馬場でのYJSが国内ラスト騎乗となった。
「今は楽しみと不安が半々ですね。ここに向けて英会話もしっかり練習してきたので、何とか聞き取れるといいですね」
20歳の騎手は、まだ見ぬ世界へ期待を膨らませた。そんな彼をこの日、園田競馬場で見守る調教師が二人いた。
一人は、父・英光騎手(大井)と騎手時代の同期である新子雅司調教師。そしてもう一人は今年8月〜9月に栗東・矢作芳人厩舎で研修を受けた田中一巧調教師だ。両調教師とも坂井騎手がYJSで園田に来ることを楽しみにしており、乗り馬を用意していた(田中一巧師は開業前のため、父・範雄厩舎の管理馬)。
園田初騎乗となった5Rプンメリン(田中範厩舎)では3番手外からレースを進めると直線で抜け出し、いきなり勝利を挙げた。見守った田中一巧師は「あたりが柔らかいですね」と目尻を下げた。
続く6Rエンターティナー(新子厩舎)は内でロスなくレースをしたが3着で、YJSも11着、10着とその後は未勝利だったが、海外遠征前ラストデーに勝利を挙げることはできた。
「無事に終えられてよかったです。YJSを通じて、もっとレベルアップする必要性を感じました。普段のレースでは予測できないことが起きたりもするので、素早く対応できるようにもなりたいです。
今から飛行機で東京まで行って、明朝に出国します。オーストラリアでは、それはもう、馬に乗ることが楽しみですね!調教も競馬もスタイルが違うと思うんでね、待ち遠しいです」
netkeiba.comでは渡豪中のコラムを掲載予定。オーストラリアでの充実した日々の便りを楽しみに待ちたい。
(取材・文・写真:大恵陽子)