「有馬記念・G1」(24日、中山)
まさに独壇場だ。ラストランとなった
キタサンブラックが、断然の1番人気に応えて有終の美を飾った。武豊に導かれて危なげない逃げ切り勝ち。JRA最多タイのG1・7勝目をつかみ、獲得賞金も歴代トップに立った。まだ現役を続けられる-。そう感じさせるほどの完勝劇。歴史的名馬は惜しまれながらターフを去る。
キタサンブラックを生産した
ヤナガワ牧場の梁川正普(まさひろ)代表は「スターホースに大スタージョッキー。道中は安心して見ていましたが、競馬は何が起きるか分からない。直線はドキドキでした」と振り返る。
牧場の名前を一気に高めた名馬。幼少時からの思い出が走馬灯のように駆け巡った。「ゴールの瞬間は安堵(あんど)感と同時に何とも言えない寂しさに襲われました。一生に一度、お目にかかれるか否かの馬。お疲れさまと言いたいです」と感慨深げ。胸にジンと迫り来るものがあったのだろう。
天皇賞・秋の前に種牡馬シンジケートが組まれた。一つG1を勝てば1億5000万円値段が上がるオプション契約。天皇賞・秋、有馬制覇でシンジケート価格は13億5000万円(60口)にアップした。ブラックは、来春から北海道安平町の社台スタリオン
ステーションで次の使命に取り掛かる。