前走10着からの巻き返しが期待されるソウルスターリング(写真は昨年のオークス優勝時、撮影:下野雄規)
春の古馬牝馬の大一番として創設されて、今年で13回目。秋にはエリザベス女王杯があるが、施行時期の近いマイルCSやジャパンカップにメンバーが分散しやすい。最近ではむしろ、春のヴィクトリアマイルの方にオールスターメンバーが揃う傾向がある。
1.前哨戦は着順不問
過去10年で前走を勝っていた馬の成績は[1-2-3-31]。勝ったのは2008年のエイジアンウインズただ一頭で、1番人気に支持された3頭(昨年のミッキークイーン、ヌーヴォレコルト、スマートレイアー)はすべて馬券圏外に沈んでいる。このレースを2連覇したストレイトガールは、前走がそれぞれ9着と13着で、ヴィルシーナも11着と6着から巻き返して勝利した。
2.東京コース実績に注目
昨年11番人気で2着したデンコウアンジュは、2歳時にアルテミスSを12番人気で勝利した実績があった。ストレイトガールも初制覇の前年に当レースを6番人気3着した実績があったし、ヴィルシーナ、ホエールキャプチャは東京マイルの重賞勝ち馬だった。
3.牡馬混合戦の経験が活きる
このレースを連覇したストレイトガールは、牡馬混合戦をメインに使われていたせいもあって着順にバラツキがあり、このレースでは人気薄になった。2014年のヴィルシーナも同様で、前年にこのレースを勝って以降は、安田記念、ジャパンカップという牡馬混合の大レースに挑戦。結果が出なかったため翌年は11番人気と評価を落としていた。
ソウルスターリングは阪神牝馬Sを10着と大敗したが、行きたがる面が出てきたことを考慮して、あえてソフトな仕上げで臨んだもの。いわゆる「ガス抜き」を主目的としたレースだった。超スローペースになってまったく持ち味が発揮できず、見た目の印象は悪いが、無事に前哨戦を消化できたことで、思惑通り落ち着きが出てきたようだ。昨秋の天皇賞6着、ジャパンカップ7着ともに、並の3歳牝馬が残せる成績ではなく、世代ナンバーワンの序列は揺るがない。